薔薇園の先の魔女集会 (ページ7)

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＃5　遊戯と雑談ページ7

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バスタオルなどを持ち、いそいそと部屋から出て行く2人を見つめながら残されたヴァルとリーベはよいしょ、と椅子から立ち上がる。

だが、特にすることも無く、ただただ立ち上がって互いに見つめる。

「……暇ねェ」

初めに口を開いたのはリーベだった。

リーベはガサゴソと部屋の隅に置かれたダンボールの箱を漁る。先程、しとしとと降り始めた雨のせいでか、ダンボールが若干しけっている。

無言で取り出したのはチェスのボードだった。

「ずっと無言でいるなんてつまらないしィ、雑談がてら遊びましょう？」

「……ああ、それもいいかもな」

白のポーンを持ったヴァルが初めに話を切り出す。

「…なあ、××についての話なんだが、ちょっとそれに付き合ってもらってもいいか？」

「あっらァ、奇遇ねェ…！私もそれについて話そうと思ってたのよォ」

「…もしもだが、もしも、××の保護者が見つからなかったり、家に帰れなかったりしたらリーベは引き取ったりするのか？」

リーベは黙りこくってしまった。当然だ。『愛』を名乗っている彼女でも突然自分の前に現れた幼い子供を完全に信用しているわけではないのだから。

「子供だから何もできないのであろう」そう思っているわけではない。

彼女はただ、幸せな魔女たちだけの空間を脅かされるのではないかと思っていた。

だが、『愛』を名乗るためにこう、答えるしかないと、少し考えた後にリーベはこう言った。

「…もう、答えの分かる質問はやめなさいよォ、

………答えなんて決まってるわァ、勿論引き取る、よォ！」

「ああ、すまない。面白くない質問だったな」

自分の発言に責任を感じ、それと共に人間の子を育てることに心躍らされながら、リーベは言う。

「はい、チェックメイトよォ！！」

「うわっ！？なんでリーベが毎回早くチェックメイトするんだよ…！」

「ヴァルちゃんの心情なんてお見通しなのよォ？」

「あー、うぜぇー！！煽るな！！」

話しているうちにガラッと、ドアが開いた。

そのとき、ふわっと花の優しい香りに辺りは包まれた。

出てきたのは満足気なブロッサムと綺麗に、丁寧に髪を乾かし、解かしてもらった××だった

「只今、お風呂が空きましたよ…って、何だか楽しそうですわね」

「ええ、丁度ゲームをしていたところなのよォ！！」

笑顔でリーベは部屋を出た。

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