【フジ】恋愛ゲーム【実況者】 (ページ6)

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root*five ページ6

おはようって、いつもみたいに挨拶をする

周りの子も同じように返してくれて、輪の中にいるんだってわかる

結局、フジくんの好みはわからないまま。

返ってきた返事も私が望んだものじゃなかった。

なんだ、使えない子

フジくんはまだ来ていないみたいで、席は空いたまんま

早く来たところで何かをするわけでもないけど、先手は取っておきたいもの

彼にとって、私にとってなにが先手になるのかすら、わからないままなんだけど

それでも、負けたくはない

というより、彼に惚れるなんて私のプライドが許さない

だから、惚れさせる

そうすれば私の優越感が満たされるから

こんな遊びを考えてくれてありがとうね、フジくん。

私は小さく言って、笑顔でお喋りする輪の中に入り込む

きゃー！なんて、控えめな悲鳴が聞こえる

原因なんて、わかってるし、

その原因と賭けをしてる、だなんて誰も思いやしないだろう

フジくんは私を見つけると荷物を置き、そばまで来る。

何をしてもいい

そのルールのお陰で、そこまで自由にしているのだろう

裏があるような微笑みを私だけに見せて、周りから見たら可愛らしい満面の笑みで私に抱きついた

突然のことに、流石の私も混乱する

そんな私を他所に、フジくんは話し始める

「Aおはよ！」

「お、おはよう」

彼は、どうするつもりなの？

一緒に話していた子も混乱してるのか、フジくんにわけを聞いたりしてる

うん、私も知りたい

早く教えてと目線だけで訴える

「俺達、昨日から付き合ってるんだよね！」

ああ、この男はとんでもない爆弾を落としてくれた

ふざけないで。

そう言いたいのに、言うなとフジくんの目が言ってる

とりあえず、話を合わせよう

「実はね…。もう恥ずかしい！」

「ってことで、誰も取らないでね？」

誰に向けてかわからない忠告は、私の耳を通り抜けただけだった