【フジ】恋愛ゲーム【実況者】 (ページ3)

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root*two ページ3

放課後

いつも一緒に帰ってる子に断りを入れて一人、ぽつんと椅子に座る

残れと言った本人は、まだいない

どこに行ったのか、なんて気にもならないけど

それでも、人を待たせるなんて

がらり、と開いた扉に、愚痴の一つでも言ってやろうと口を開く

「遅いんだけど」

「は？」

でも、聞こえてきたのはフジくんの声じゃなかった

慌てて声の主を見ると、これまた学校で人気者の、キヨくんだった。

意味のわからない、不機嫌な顔をして私を睨むキヨくんに、謝罪をした

「いや、別にいいけど」

「本当にごめんね、フジくんかと思っちゃって」

申し訳なさそうに眉を下げて謝れば、相手も許してくれる

キヨくんも、もちろんそうで

でも、私に用事なんてないはずなのに彼は私に近づく

「キヨ、くん？」

「フジに、告んの」

予想外な返しをされて、固まってしまう

私が、フジくんに告白？

笑っちゃうね

あの人にときめいたことなんて、一度だってないのに

「ううん、呼び出されたの」

「……そう」

どこか安心した様子を見せるキヨくんに、察しがついてしまった

ああ、可哀想な人

それは、誰に向けた言葉なのか

目の前の彼？

それとも、彼を好きな彼女？

どっちにしろ、それはただの同情の言葉でしかないことに、変わりない

「部活はいいの？」

「あー、うん、今日は休み」

「そうなんだ。たまには休みも必要だよね」

「俺としてはサッカー出来ねぇ方がつまんないけどな」

そうなんだ。

そう流す

自分から出した話題だけど、生憎興味なんてない

ただただ、早く来ないかなぁと、それだけを考える

早く用事を済ませて、帰りたい