未定 (ページ12)

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秘密〔正門side〕ページ12

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8月某日のレッスン終わり

ステージに立つ時とはちょっと違う、若干の緊張を感じながら、練習室から出て行こうとするAを呼び止めた。

正「A、この後時間ある？」

「はい、めちゃめちゃ暇ですよ？」

振り返るAは不思議そうな顔をしてる。

「ちょっと付き合って欲しいとこあるねんけど来てくれる？」

そうして約束を取りつけ、一度家に帰りシャワーを浴び身なりを整え、梅田の駅で待ち合わせた。

早めに行って待ってるつもりやったけど、Aは待ち合わせの10分前にはやって来て──────

「やっぱり、正門くんは絶対はよ来ると思いました」

と言ってニコニコ笑うAは、やっぱり女の子に見えてしまう。

正「俺もAなら早めに来てくれると思って」

少しでも長く一緒に居れるのが嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。

「今日はどこに？」

正「誠也くんの誕生日プレゼント一緒に選びに行こうと思って」

「もうすぐですもんね」

正「あれ、Aはもう用意してる感じ？」

「はいっ、もうばっちりです！」

正「そうなんや、、」

ほんまにAは抜け目のない子やなぁ。

でも用意してたんなら付き合わせるの申し訳ないし、やっぱり先に確認しておくべきやった。

ダメやなぁ俺。

「でも正門くんとこんなふうに2人で出掛けるのなんて初めてやし、誘ってもらえてめっちゃ嬉しいです」

俺がちょっと残念に思ったのに気づいたのか気づいてないのかは分からんけど、サラッとこういう事を言えてしまうの、ほんまにすごいと思う。

おまけに言うとほんまずるい。

今の一言で俺の心臓バクバクやし

きっと俺はAのこういう所に惹かれていったんやろな。

「ちなみに自分センス皆無ですけど大丈夫です？」

正「そうなん？そんなふうには見えへんけどなぁ」

それがほんまなんですよーとか言いつつ、以前よりも明るい笑顔を向けてくれるようになったAの横顔から目が離せなくなったのは、

誰にも言えない秘密。