第8話 ページ8
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私の隣にいる先輩は、いつもと変わらない表情で、
「引っ張ったら落ちてくるに決まってんだろ」
と、呆れたように言った。
涼介先輩は私の頭の上に落ちてきた譜面台をキャッチしてくれたみたいだ。
あんな鉄のかたまりが頭に落ちてきたらひとたまりもなかっただろう。
「すみません……バランスを崩してしまって…
でも、どうしてここにいたんですか?」
「お前の身長じゃ棚の1番上は届かないかなと思
って見にきたら、案の定やらかしたから…」
「そうだったんですね。いつも助けていただい
て、本当にありがとうございます。以後、気を
つけます。」
「そうしていただけるとありがたい。それ
で、ケガは無かったか?」
さっきまで怒ってたのに、やっぱり心配してくれてたんだ。
「はい、先輩のおかげでなんともありません」
「なら、よかった……」
譜面台を持って音楽室に戻ると、3人の先輩が来ていた。
すると私たちを見た大貴先輩が、
「お〜!なんだお前ら2人仲悪いのかと思ってた
けど仲良いじゃん!」
するとすかさず涼介先輩が
「別に仲良くなんてなってねぇし!」
と否定する。
そんなに強く否定しなくてもいいのに……
その日は、練習中も、家に帰ってからもずっとモヤモヤした気持ちが消えなかった。
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kurodaamane(プロフ) - おおおおおお面白い😍🧡(●'◡'●)あなたの心にもみあげ手裏剣 (2022年3月29日 2時) (レス) @page16 id: 2adfc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさとわ | 作成日時:2020年4月15日 23時