【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで③【男主】 (ページ10)

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「リビングで話そう。立てる?」
「う、うん」

ジナに小声でそう言われ、なるべく音を立てないようにゆっくりとベッドを降りた。
机の上に置いてあった時計を見ると、時刻は5時を示していて、起きる時間には些か早いようだった。
ジナの後ろをついて部屋を出ると、リビングへと案内された。

「ふぅ、やっと話せる。おはよう、ユリ」
「お、おはよう……。あ、あのさ、俺昨日の記憶あんまなくて……。ここ、宿舎だよな?」
「ごめん、驚いたよね。説明するから座って」

2段ベッドの部屋とリビングの風景を見て、ここがジナがメンバーと一緒に暮らしてる宿舎だと察した。
動画で見た時は男7人か暮らしだなって感じだったのに、思ったより片付いていて驚いたのは内緒だ。

「……俺、倒れたのか。悪い、迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃないよ。ユリが怪我しなくて本当に良かった」

ジナは暖かいお茶を用意してくれたあと、座って昨日何があったのか説明してくれた。
説明を受けてようやく記憶が蘇ってきて、階段で倒れそうになったところをジナが助けてくれたのを思い出した。

「具合は大丈夫?」
「おかげさまでよく寝たからもう平気」
「よかった。食欲はある?何か胃に入れた方がいいと思うんだけど……。あ、リンゴがあったからリンゴ食べる?」
「いいの?」
「いいに決まってるよ。待ってね、いま剥いてくる」

ジナはすぐに立ち上がって冷蔵庫からリンゴを取り出すと、キッチンで皮を剥きはじめた。
パジャマ姿でリンゴの皮を剥くジナの後ろ姿は、大学時代によく俺の家に来て料理してくれていた姿と重なった。