【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで③【男主】 (ページ3)

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「大丈夫ですか!?」

頭上から聞こえてきた声が、さっきよりもハッキリ聞こえた。
この声、どこか聞き覚えがある。それにこの匂いも。

「じな………?」
「え?ゆ、ユリ……?」

具合が悪いせいで俺の頭が幻覚でも見せたのかと思った。
けど、名前を呼ばれてぼんやりする頭であ、本物だこれ、と認識した。
ジナだ。俺の幻覚じゃない。本物のジナがいる。

「な、なんでユリがここに………。い、いや、それよりも顔色悪いよ、大丈夫?」

ジナが心配そうに俺の顔を覗き込んできて、目が合う。
階段から落ちそうになっていたところを、ジナが気づいて落ちる前に抱きとめてくれていたようだった。

ああ、やばい。本当に意識が遠ざかっていく。

いつもならここで持ち直すのに、ジナがいてくれているという安心感が俺の中で大きすぎて、このまま目を閉じてしまいたい。

「………へいき、だから」
「全然平気じゃないよ!!病院行かないと、」
「病、院は……ダメ……」
「な、なんで、」
「いま、入院……したら……」
「ユリ!?」

たぶん、ただの貧血だけじゃなくて過労だなんだ言われて数日入院させられる可能性が高い。
そうしたら、せっかく動き始めた計画が遅れてしまう。
それだけは絶対にできない。
だからここで倒れちゃいけないのに、すでに俺の意識はほぼ失いかけていた。

「……じな、あいたかった……」
「!!」
「あ、ユリさんいた。……あれ?ジンさんじゃないですか」
「ウヌさん!!ユリが!!」
「え?」

ジナが切羽詰まった声でウヌさんの名前を叫んだところで、俺の意識は完全に途絶えてしまった。