【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで③【男主】 (ページ11)

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「はい、できたよ」
「ありがとう」

切ってくれたリンゴの中にはうさぎの形に切られたものもあって、そういえば前にジナが熱を出した時に看病に行ったことも思い出した。
あの時、ウサギに切っただけですごい喜んでくれてたなぁ。

「覚えてる?僕が熱出した時にユリが看病しに来てれてさ、その時リンゴ切ってたくれたの」
「ちょうど思い出してた。おかゆも作ったらお母さんのより美味いとか、やたら褒めてくれたよな」
「だって、本当に美味しかったんだもん。嘘じゃないよ」

その話をきっかけに、気が付けば昔話が始まって、それから最近どう過ごしてたかお互いの近況の話で盛り上がっていた。

懐かしい、と思うにはそんなに経ってないかもしれないけど、ジナと一緒に大学に通っていた時期が本当に昔のように感じた。
俺もジナも、昔と比べたら大分状況が変わったから、当然と言えば当然なのかもしれない。

「ふふ、よかった。ユリ全然変わってないね」
「そういうジナも変わってないな。アイドルデビューしてもっとイケイケになってるかと思った」
「イケイケってどういうこと!?」
「私生活派手になってたりとか?」
「ヤー、それを言うならユリの方でしょ。インスタの写真全部イケイケじゃん。色んな人と写真撮ってるし、服装も派手だし……」
「あれは宣伝の意味も込めてるから……って、俺のインスタ知ってんの!?」
「そりゃ知ってるよ。ユリの近況知れるから毎日見てたもん」

少し唇を尖らせて、拗ねた顔をしているジナに、俺は驚きを隠せなかった。
俺もジナの近況を動画やSNSで追っていたから、まさか同じことをしているとは思ってなかったのだ。
この3年間、俺ばかりがジナのことを気にしていたと思っていたけど、そんな事なかったんだ。