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「おはよう、ユリ」
「おはようジナ」

つい最近まで、ジナは熱を出して体調を崩していたが、今は無事に回復した。
大雨の日に送ってくれたのが原因だったから、俺は申し訳なさから看病のために数日だけだがジナの家に通っていた。

「そういえばこれ、面白かった。ありがとう」
「え!?もう全部クリアしたの!?」
「面白くてずっとやってたらクリアしちゃった」
「ヤー、ユリ。ゲーマーの才能あるよ。これを1週間でクリアするなんて……」

家に通ったことで、俺とジナは前より仲良くなった……気がする。

ジナの部屋に飾られていたグッズのことを聞いたら、実はゲーマーらしくて、メイプルストーリーとマリオのゲームが特に好きらしかった。
俺がマリオをやったことがないと言うと、「マリオやった事ないなんて人生損してるよ」と真顔で言ったあと、俺にゲーム機を渡してきた。
試しにやってみたらこれが意外と面白くてハマってしまい、それを見たジナがゲーム機ごとかしてくれた。

なんか、ゲームの貸し借りとかめっちゃ友達っぽくてそういうのも地味に嬉しかった。

「ふぁあ……。でも寝不足になるのが問題だな……。ジナ、どうやって時間管理してるの?」
「え?普通に毎日寝不足だよ?」
「…………」

キョトンとした顔のジナを見て、肌荒れもしてなければキメも整っているし、寝不足なのにこの顔面なのかとちょっとだけ恨めしくなった。

「良かったら別のゲームも貸してくれない?ジナのおすすめのやつ」
「え!?うん!!探して持ってくるね!!」

嬉しそうな人懐っこい笑顔のジナを見たら、恨めしい気持ちはすぐにどこかに消えていった。

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作者名:萩焼 | 作成日時:2022年10月2日 21時

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