4-1 JNside ページ22
「どういう感じにしたいの?服はそのまま行く感じ?」
「そう!!」
「うーん、じゃあ甘い感じでいい?」
「もう全部ユリに任せる」
1限、2限が終わり、高校時代からの友人と昼食を終えて、3限目はユリと同じ講義を受けるため、1人で教室を移動した。
移動先の教室にはすでにユリがいて、その隣に女子が1人座っていた。
「ユジンさ、デート行くたびに私にメイク頼んでない?自分でメイク覚えないと駄目だよ」
「分かってるけど、ユリにメイクしてもらった方が彼氏褒めてくれるんだもん」
「彼氏ならどんなメイクでも褒めてくれるでしょ?」
「そんなことない!!反応が違うもん!!今日のメイク似合ってるねって言われる時、絶対ユリがしてくれた時だし」
ユリからユジンと呼ばれた女子は、ユリにメイクをしてもらっていた。
ユリはよく自分には友達がいないし、大学じゃ自分のことを嫌ってる人が多いなんて言っているけど、そんなことないと思う。
特に女子からはすごく人気があると僕は思っている。
今みたいな感じで、知らない女子にメイクをしている場面を見かけたことがあるし、なんなら一緒にいる時に「今日好きな人に告白しようと思ってるんですけど、メイクしてもらえませんか!?」と頼みに来る女子がいたりした。
「男ウケするメイクと自分の好きなメイクって全然違うからね。私は普段のユジンのメイクの方がユジンぽくて好きだけど」
「え!?ほんとに言ってる!?」
「あ!!ちょっと急に動かないでよ!!アイラインずれるじゃん!!」
「ユリが急に褒めるからでしょ〜、やめてよ」
メイクをしている時のユリはいつになく真剣な顔で、つい見 とれてしまう。
でも、見ていると段々女子との顔の近さが気になってくる。
メイクをしているのだから、必然的に顔が近づいてしまうのは分かるんだけど、うっかり唇が触れてしまわないかとか、あんな近くでユリの顔が見られて羨ましいとか、色んなことを考えてしまう。
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作者名：萩焼 | 作成日時：2022年10月2日 21時
