【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで【男主】 (ページ16)

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「図書委員の仕事は昼休みと放課後で本の貸出と図書室の鍵閉めが主な仕事になるから。基本ここに座って時間になったら帰っていいから、簡単でしょ?」

高校1年の時、委員会に入らなくちゃいけないとのことで、僕は最後に余った図書委員に入ることになった。
先輩から簡単な説明を受けて、入ったその日から図書委員としての活動を始めた。

「……放課後の時間長くない?」

昼休みは30分ほどしかないのであっという間に時間が経つけど、放課後は最後の授業が終わってから17時半までずっといなくちゃいけなかった。
待ってるだけなのは確かに楽だけど、その分かなり退屈だった。

しかも放課後に図書室に来る人なんてほとんど居ない。
みんな部活をやってるか、塾に行くかのどちらかだ。

先輩からはもし誰も来なかったら早めに帰ってもいいと言われていたが、初日からいきなりサボるのは気が引けた。

あまりに暇すぎるから宿題でもやるかと、鞄から筆記用具を取り出そうとした時だった。

「(え………)」

ガラガラと図書室の引き戸が音を立てて開いた。

ついに誰か来たと気になって視線を向けた瞬間、その人物を見て僕は目を奪われた。

寝癖なんてひとつも付いておらず、歩く度にサラサラと揺れ、照明の明かりで輝く黒髪。
目は丸くてクリっとしていて、唇はよく分からないけどツヤツヤしていて、綺麗なピンク色をしていた。

「(な、なんで女の子がいるの!?ここ男子校だよね!?)」

僕は最初、男子校なのに女の子が来たのかと思って非常に焦った。
その人が身長が低かったこともあって、「この学校、いつから共学に!?」なんて馬鹿みたなことを考えてしまうくらいに、本当に尋常じゃないくらい可愛かった。

その人は図書室の窓側、1番右奥の端の席に荷物を置くと、本を探しに行ってしまった。

本を借りに来るだろうかと変にそわそわしてしまって、やろうとしていた宿題は一切手につかなかった。

その人は利用時間の最後までいたが、結局本を借りることなく帰ってしまって、会話は愚か、名前を知ることも出来なかった。