キミとピアス ２

２３．お願い ページ29

渡辺side



今日、俺はふっかの幼馴染といわれる子に会いに来た





『…なんで俺がこんなことやんなきゃいけないんだよ』


？『“だってふっかがいつまで経っても決心つけないから”』


『だからって人をこき使うなよ！！お前が来いよ！』


？『“それはごめんって笑”』


『はぁ…今度サウナ付き合えよ、照』


照『“何時間でも。翔太が潰れるまで付き合うよ笑”』


『あー…そうだ、お前もサウナーじゃん…』





電話越しに悪態を吐くと、照が笑った





照『“かなり強引だけど。翔太、頼んだよ”』


『……なんで俺なんだよ』










それは遡ること数日前



用事で買い物に出ていた時のこと





『……どっかでメシ食お』





普段あまり出ないし、



今日は気分がいいからどこか店に入ることにした



…のだが、そこで俺は見てしまったのだ





『………ふっか？』





カフェで女2人と楽しそうに話しているふっかを見つけてしまったのだ



ふっかの目の前には金髪の女と茶髪の女



茶髪の女はふっかとどこか親しそうに見えた



…あいつ、この前週刊誌に撮られたのに警戒心のかけらもないのかよ



俺たちの今までの積み重ねを無駄にするのかと腹を立てながら



俺はメシを食うをの止めて家に帰ることにした





『……あんなことしたらもっと書かれるだろ…』





ぶつぶつと文句を言いながら歩いていると、突然肩を叩かれる



…やば、バレた？



ファンにバレたと思い込んでいる俺は無視を決め込む



気持ち早足で足を進めるが、そいつはずっと付いてきた



…なんなら少しだけ笑いながら



そいつは全く止まらない



足を早めてもずっと付いてきて思わず怖さが込み上げる





？『翔太、俺だよ』





…だが、その声に驚いて振り返った





『……照、』





サングラスをかけ、少し伸びた髪を結った



イカつめの見た目の照だった





照『ごめん、驚かせて』


『……マジで怖かったんだけど』


照『ごめんって笑 …で、さっき何見てたの？』





照は少しだけ首を傾げ、何も言えなくなった俺は



さっき見ていた場所に静かに視線を向けた



照も俺の視線の先を見つめると…





照『…あー、なるほどね』


『………は、』





どこか納得したように頷いた照



俺はそれに驚いて思わず声が出ていた

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