キミとピアス ２

２１．再び ページ22

今日は久しぶりに照とサシでの仕事



その待機中の楽屋でAちゃんのことを話していた





照『はぁ…ふっかって本当にチキンだよね』


『Aちゃんも俺と同じ気持ちとは限らないでしょ！？』





照の言葉に言い返しながら、水を飲んで熱った体を冷ます



自分の気持ちを自覚したことを照に伝えるとなぜか納得され、



今に至る



どうやら照は俺がAちゃんに抱いている想いを



俺より先に気付いていたようだった




…照曰く、分かりやすかったらしい





照『…で？これからどうすんの』


『………俺から告白はしない』


照『だろうな』


『照だって知ってんじゃん。俺は彼女を好きにさせる

で、告白も』





大真面目に言うと、また大きなため息をつく





照『…ほんっとにチキンだよね』


『だからチキンじゃないから！！』


照『…自分からしない時点でそうでしょ。

ふっかさ、Aちゃんに思い出してもらうために

めっちゃ必死だったじゃん。…なのに、これから先

余裕持って待てると俺は思えないんだけど』


『……………』





確かに…照の言う通りかも



前は妹のように思っていたけど…



…再会して、綺麗になったAちゃんを見た瞬間、



俺の中で何かが変わったのをあの時感じた



その気持ちは会いに行くたびに大きくなって…



今では少し苦しいほど



こんな状態で待てるとは俺も思えなかった





『俺も、正直そう……思う…』


照『じゃあ告れば？』


『そんなに簡単なことじゃないからっ！！』


照『そんなこと分かってるよ』


『っ………』





照が言ってる意味も分かる



…でも、なぜか今告白するべきじゃないって思ってしまうから



その理由は…分からないけど





照『自信がないのも分かるけど、明日が必ず来るとも限らない。

…先延ばしにしていいことないよ』


『…………』


照『……ラウが言ってた』


『…え？』


照『Aちゃんがふっかに見せるあの笑顔、

ラウは見たことないって』


『…………』





急にラウの話が出てきて驚いたけど、



自信を持たせてくれるための話だと理解した



……ラウには、見せてないんだ



やっぱり彼女が強がりだから？



弱みを見せないようにしてるとか…そういうことなのかな

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