キミとピアス ２

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なんとか事務所に着いた時には、



Aさんとふっかさんの姿はなかった



内心すごく焦る



エントランスには岩本くんとめめ



岩本くんが驚いた様子で僕を見る





『…ふっかさんは？』


照『ふっかなら…さっき帰ったけど』





……ダメかも





『っ……さっきここに来た女性は？』


蓮『……ふっかさんが追いかけt』





やっぱり、そうだ…一足遅かった…



諦めかけたけど、まだ間に合うかもしれないと思い、



めめが言い終わる前に出口へと向かう





蓮『おい、ラウ！！』


『ごめん！！僕、急がないと！！』





…めめ、ごめん



みんな、ごめん



自分勝手なのは…分かってるよ



それでも…諦めたくないから



心の中で何度も謝りながら、必死に足を動かした










『ｯﾊｧ……ﾊｧ……ﾊｧ…………ﾊｧ…』





どれぐらい走ったのか分からない



…でも、事務所からだいぶ遠くまで来たのは何となく分かる



どこを探しても…Aさんを見つけることはできなかった



悔しさからか、何からなのかは分からない





『……ｸﾞｽｯ…』





勝手に涙が出てきて、袖で涙を拭いた



……今頃ふっかさんと〇〇さんは会えてるのかな



Aさんは本当に、ふっかさんのこと思い出しちゃったのかな



そう考えただけですごく、悔しかった





『っ………』





走り始めようとした瞬間、少し遠くの公園が目に入った





そこにいたのは…ふっかさんと





『……あ、』





僕は見たことがない、満面の笑みを浮かべたAさんがいた



…ダメだな



瞬間、そう思った



僕にはAさんをあんな風に笑顔にさせることはできないって、



何となく分かった



だって…Aさん、大学では強がりだから



素の姿なんて、後輩の僕には絶対見せてくれない



あの2人の間に入ることは、僕にはできない



あんなに諦めきれなかったのに…



今はそれをすんなり受け入れることができた



…幼馴染の2人が羨ましいと思った





『……いいなぁ…』


？『何が？』





いきなり後ろから声がして肩が震える



…恐る恐る振り向くと、そこにいたのは










『…岩本くん？』





少しだけ微笑んで僕を見ている岩本くんがいた

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