episodeTHIRTEEN 車 ページ41
そして…2週間後
担当医も驚く程の速さで俺はリハビリを卒業し、退院した
【リハビリお疲れ様でした。
それと…退院、おめでとうございます】
『ありがとうございます。…お世話になりました』
小さく呟いて一礼し、病院を後にした
少ない荷物を肩にかけて歩いて家まで帰ることにした
担当医によると、もう少し刺し所が悪かったら
命がなかったかもしれないという
それを聞いて、一瞬血の気が引いたが、
一生傷跡が残るだけだと言っていた
…入院中、俺が目覚めてからAが来ることは一度もなかった
だから、未だに彼女が言った「ごめんなさい」の意味は
分からないまま
『…明日聞いてみるか』
ノーセットのフワフワな前髪をかきあげる
額の大きめのガーゼを軽く触りながらポツリと呟いた
…すると、俺の真横に車が止まった黒い大きめの車
これって…
窓が開いて運転席から顔を出したのは
翔『照、乗れ』
『翔太？なんでここいんの』
翔太だった
ぶっきらぼうに言い、顎で後ろを指す
翔『なんでもいいだろ。いいから乗れ』
『…ん』
言われるまま乗り込むと静かに走り始める
翔『…お前さ、連絡ぐらいしろよ』
『え、なんで』
翔太からそんな事を言われたのは初めてで驚いた
翔『退院、したんだろ。いきなり歩いたら事故るぞ』
…多分、こいつなりに心配してくれたんだろう
ちょっと言い方は強いけど、まーそれがこいつだし
『…そんなに注意散漫じゃねーよ』
それに言い返す
窓の外を見ると、俺の家とは反対方向を走っていた
…どこ向かってんだ
翔『また病院送りになりてーのか』
『そうは言ってないだろ』
ルームミラーで目が合い、ちょっと睨まれた
少しの沈黙の後…翔太が口を開いた
翔『…たまには俺らに甘えろ』
『…は』
翔『今回の事は涼太から聞いた。…お前さ、全部抱え込みすぎ』
『翔太達には関係ねーじゃん』
一瞬驚いたが、Aの関係である事を察してまた外を見る
翔『…お前ばかなの？』
『はぁ！？…った！何すんだよ』
車を止めて、翔太は俺の頭を叩いた
…と思ったら、ワシャワシャと撫でられる
…俺犬かよ
翔『照さ、今回の件もそうだけど、今までもだからな』
『…だから何が』
翔『惚けんな』
尚も撫でられ続け、嫌になって手を払い除けた
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夕雪(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます(´˘`＊) 喜んで頂けてとても嬉しいです！更新頑張りますっ！ (2021年12月1日 0時) (
レス) id: c1927b0662 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - コメント失礼します！すぐに迎えに行くからって言葉に"やだぁもう、かっこいいぃ"となんとも気持ち悪い反応をしてしまいました。更新頑張ってください！！ (2021年11月30日 23時) (レス) @page1 id: d4655b2f55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕雪 | 作成日時：2021年11月30日 20時
