紐倉さん家の居候【インハンド】 (ページ2)

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広大な土地にある紐倉研究所

日も沈む頃その大きな扉を

息を切らせながら見つめる女性の姿があった

あなたside

『……でっっか』

〘紐倉研究所〙
さすがあの紐倉博士だね。研究所も大きい。

『…ははっ』

今からとんでもない提案を相手にすることを思うと自分でも笑えてくる

こんなんで本当に博士に近づけるのかな

インターホンまであと10cm……5cm

1cm

0cm

暫くすると

｢……どちら様？｣

さあ、相手はどんな反応をするんだろう？

正直楽しみじゃないと言えば嘘になる

相手の反応を含め、これからの人生全てが。

絶対に明らかにするよ。
お兄ちゃん

私は顔を上げた。

『料理洗濯、家事全般やるので居候させてください！！』

｢断る｣

めっちゃ即答。覚悟してたけど超即答じゃん

『お願いします！！！』

「凡人なら助けるところだろうが生憎僕は天才で自分の研究に忙しい。」

自称天才。お兄ちゃんもよく言ってたな。

紐倉は本当に天才だ。あいつはいつか世界を救う、って。

兄のためにもここで引く訳にはいかない。

『そこをなんとか…泣

入れてくれるまでここに居座りますよ！！』

｢好きにしろ｣

日が沈んで気温が下がってきた。

30分ぐらいたった頃。

ｷﾞｨｨｰっと音を立て扉は開き始めた。

『いいんですか？』

｢通報でもされたら迷惑だからな。｣

良かったあああ。
一時はどうなるかと思った