キミがスキ *Daiki*Ryosuke*

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今日は午後までびっしりと講義が入れられていてどっと疲れが出る。


まだ午前中だというのに後先のこと考えただけでもうやだわ。


次は空きだからどこかの教室に移動しようと荷物を持って渡り廊下を歩く。

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「よー!次空きなの?」


友人は今からなのか、ペンケースを振り回しながらやってきた。


大貴「空きだよ。」


「ふーん。てかさ、お前いーの?」


大貴「何が。」

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「俺もこの間見たけどさ。

山田涼介とAちゃんが一緒にいるところ結構目撃されてるらしいけど。」


大貴「へ、え…」


「いーわけ?聞いたけどさ…今日も…てかこれから?会うみたいな…あ!噂をすれば…」

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友達の目線の先を辿って下を覗くとAと山田。


は?!2人だけかよ。

てか、何してんだろ。全然聞こえない。気になるし。

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「あ、始まるから、じゃーな。」


友達の声もあまりよく聞こえず、2人に全神経を集中させる。


だめだ。何やっても聞こえないし何やってるかわかんねぇ。


この雰囲気…

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俺が今、ここから何かできることなんかあんのかな。


あるわけねぇじゃん。


なんで、そう…期待させといてさぁ…

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非常階段を使って、下まで降りる。


A「…えっ、大貴?……っちょっと?!」


涼介「えっ。」


2人の間に割り込んでAの腕を掴んでその場から去る。

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どこ行く気だよ俺。


わかんねぇ。行く当てなんかないし。


ただ、山田と2人でいるところなんて見たくなかったし。


ただ…俺のが好きってわかってほしいし。

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A「はぁっ…なっ、もう、何かあったの?」


疲れたら走るスピードを緩めて立ち止まる。



大貴「え、…いや…」


あるだろ。ないのに連れ去るとかおかしいし。


でも言えねぇし。

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A「何か用があったとか?」


あったんだ。好きって伝える用がある。


大貴「俺っ…!」

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大貴「…ごめん…なんでもない…」

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