俺の前から、メンバーが消えました。【Part2】

50.笑顔の裏側 ページ10

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「片付けは俺がしとくから光くんは子供たちの所に
行ってあげて」



夕飯を終えて、子供達が出ていくのをみて
このキッチンに1人になれるよう光くんにそう言う。



「あぁ、じゃあ頼む。」



光くんがキッチンから出ていくのを確認し、
さっさと片付けを終わらせキッチン周りを探る。




数分間探し回ったが、特に何も出てはこなかった。




となると、昨日見たものは…



「やまだー片付け終わったか？」



「あ、うん。今終わったとこ。」



「じゃあ、子供たちの寝る準備頼んでいいか？
俺は風呂に入れてくるから」



「りょーかい」



最高のタイミングだ。残るは光くんの部屋のみ




…今しかない、よな。




子供たちと光くんがお風呂に向かうのを確認して
2階の光くんの部屋に向かう。




ちゃちゃっと調べてしまおう。



ありそうな場所を順番に探っていく
何も出てこない、隠し物とかは特にないのか？




「ぁ、」




押し入れの中で見つけた見覚えのある箱。
昨日光くんが隠した箱だ…




中を見てみると入っていたのは度重なった紙。





「これって…」




中を開くとズラっと並ぶ数字と文字。
どの紙も同じようなものだった。



「食料…衣服…この額…」



そう、そこに書いてあったのは子供達が食べていた食料、衣服の数々、他にもずらりと書かれていて、その横には赤字で書かれた金額の数字。



俺はその紙を箱にしまい、光くんの部屋を出た




さっき見た紙に書いてあるもの。
そして昨日の光くんの様子。









光くんは、多額の借金を背負ってまで
この施設を維持させていたんだ






そうだ、よくよく考えてみればおかしかったんだ




身寄りのない子供達をこの施設に入れて預かり、
里親が見つかれば少々のお金は入ってくるが
1人で今は9人の子供たちの面倒を見ている。
そんなの、全員分の生活費なんてとてもあるはずがない。
ましてやこんな時代、現代のように国が援助してくれるとか、そんな制度はないはず。




そして昨日きっと何らかの取引があった。
だから帰ってきた光くんは息が切れていた
それだけ追い込まれているということだ。




「玲くんは、このことを知っていた…？」




あの子は母親から虐待を受け、怒られないようにと
必死で勉強をしていた。あの紙をもし玲くんが見たとしたなら、あの子なら完璧に理解は出来なくても、なにか危険な事だと察したんだ









これは…







「俺は、どうすればいい？」

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