俺の前から、メンバーが消えました。【Part2】

43.孤独の少年 ページ2

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小さなその体に合わせてしゃがみこんで
目線を合わせて話しかける。


目なんて合わせてくれないとは思うけど、こういう子供に心を開いてもらうなら真っ直ぐ向き合わないと届かないと俺は思う。



「……」



予想はしてたけど、黙ったまま。



…負けるか。




「俺、山田涼介って言うんだ。みんな涼にぃって呼んでくれてるからそう呼んで？」



「……」




『玲くん！一緒に遊ぼ！』



輪の中で遊んでいたひとりの女の子が俺たちの方に駆け寄ってきて俺の前に座るその子に話しかけた。




「へぇ、君玲くんって言うんだ。」


「……」



黙ったまま。でも名前は知れた。



『あ、涼にぃお話中だった？』



「うん。玲くんと仲良くなろうと思って」



『じゃあ私あっちいってるね！
玲くん！涼にぃすっごくいい人だから仲良くしてあげてね！』



そう言って元の輪の中に戻って行った。


可愛いなぁ、癒される



「ほら、みんな玲くんと遊びたがってるよ？」



「……」



「子供たちもいい子ばっかだし、ひかも馬鹿だけどいい人だし。みーんな玲くんと仲良くなりたいんだよ？もちろん、俺だって。」



「まぁ、出会ったばっかの俺はまだ信じれないかもしれないけど、みんなのことは少しずつでも信じてあげな。これからよろしくね玲くん」




玲くんの前に手を差し出す。
もちろん取ってはくれなかったけど、仲良くなりたいって言った時、一瞬だけ目があったからこれだけでも大きな一歩だな。

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