54.現実の重さ ページ14
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『貴様!何者だ!』
もう1人の男が俺に気づき刀を抜く。
まずい、さすがに気づかれて素手で向かい
打つなんてムリだ。
「ひか!逃げるぞ!」
光「え、あ、あぁ!」
全速力で裏道から抜け、少し距離のある小道に駆け込む
何とか見つからずには済んだけど、
これだと光くんが施設に戻っても危険だし、
何よりもどんな仕返しがかえってくるか分からない。
光くんをあの場で助けられたのは良かったが
俺のせいで余計に状況を悪化させてしまった気がする。
光「やまだ、どうして、施設は」
「大丈夫。施設は俺の信頼できる奴に頼んであるから。それより、雇ってもらってる分際でこんなこと言うべきじゃないんだろうけど、ちゃんと話して欲しい。」
目を見開いて俺の顔を見ると、悟ったように直ぐに顔を伏せ、ゆっくりと話し始めた。
約1年前から経営が持たなくなり始めていたこと。
闇金からお金を借りていたこと。
それがどんどん膨れ上がっていること。
どれだけ経営が厳しくても、独りになった子供達を
放っておけなかったこと。
取引の度に暴行が酷くなっていき、今回初めて刀を
抜かれて殺されかけたこと。
もう、本当に限界ということ。
光「…気づいてたんだよな、山田は」
「いや、気づいたのは俺じゃなくて…玲くんだよ」
光「玲くん…?いやまさか、あんな小さな子が、」
「あの子は母親から褒められたくて、まだあんなに小さいのに数字も、文字も、ある程度は勉強してる。光くんの部屋にあったあの紙も玲くんは気づいてた。全部は解読出来なくても、玲くんには光くんが危ない。ってことを悟ったんだと思う。だから、俺に助けを求めてきた。」
光「玲くんが、山田に?」
「うん。あんまり喋ってくれなかったけど、俺には伝わった。玲くん、光くんのことめちゃくちゃ気にしてる。」
光「…そう、だったのか。俺は、」
道に座り込んで力なく呟く光くんをみて、
1度時間を確認した。
40分が経ってる。そろそろまずいな
「とりあえず、施設に戻ろう。俺の信頼できる奴に頼んでるとはいえ、子供たちが心配だし、これからの事考えなきゃ。」
光「…あぁ。」
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aramina(プロフ) - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2022年10月7日 10時) (レス) @page15 id: 995aa654dd (このIDを非表示/違反報告)
れな - このお話とても面白いです!続きがとても気になります!ゆっくりでいいので頑張って下さい! (2021年8月18日 1時) (レス) id: d97c215a56 (このIDを非表示/違反報告)
涼奈(プロフ) - Siroさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです!不定期更新にはなりますが、今後ともよろしくお願いいたします! (2020年7月20日 16時) (レス) id: 9c1cc16d73 (このIDを非表示/違反報告)
Siro(プロフ) - 勉強の息抜きにこの小説を読ませていただいています。一話一話が面白くて、更新されるのをいつも楽しみにしています!作者様のペースで更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月13日 20時) (レス) id: 200e55a5ac (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お話凄く面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください!!! (2020年4月9日 22時) (レス) id: 3712bdf8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼奈 | 作成日時:2019年3月26日 11時