*ありおかさん、やまだの事愛してるってよ*part２

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カラン、と音を立てて開いたドアにいらっしゃいませ、と定員の声が響く。
よくデートで来た2人のお気に入りのカフェ。

いつもの一番奥の窓際の少し個室みたいになった席に向かい合わせで座る。

山田の表情はどこか不安げで悲しそうに瞳を揺らしていた。


「やまだ、？」

「ん？あ、いつものやつでいい？」

「…お、おう」


話を変えられて聞くタイミングを逃した。

なんでそんな暗い顔してんだよ。
なんか不安な事があるならちゃんと言ってよ。


なんて、
やまだが抱え込む性格だって分かってたくせに気づかないふりしてた俺なんて最低だよな。


「お待たせしました。カシスオレンジとゆずレモンティーです。」

コトン、と目の前に置かれたカシスオレンジ。
今の俺には不釣り合いなぐらい輝いて見えた。


「ねぇだいちゃん、」

「ん、？」


少し間を開けてやまだを見ると何かを決心したような顔と悲しみが混じった表情をしていた。

そこで何を言われるかはもう悟っていたのかもしれない。



「……別れよっか、」

「…は、？」


十分すぎる間をとった後やまだが言った言葉は重く心に沈んでく。
それでもそんな事受け入れれるはずもなくて、低い俺の声が響く。

カシスオレンジとゆずレモンティーは減らない。

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