選ばれた少女

次の日の学校 ページ40

放課後。


一人になってから学校でもあのあざのことを考えていた。

すっかりみんなは私を忘れて他の友達同士で仲良くやっていた。

そして、すっかり浮いた。まぁいいけど。


それにしても、あのあざが学校で出来始めたら厄介だな…どうやって隠そうか…

本を読みながら考えていて話の内容が全く頭に入ってこない。

本を置いて少し伸びをした。

とここでタイミングを図ったように酒呑さんが話しかけて来た。

酒「ねぇ、亜空さん…ちょっといい？」怪笑

酒呑さんは何か企むような笑みを浮かべていた。

「…うん…」

警戒するように言い、酒呑さんについて行った。



着いたのは前に酒呑さんがつれてきた人目のつかない廊下だった。

「何か用ですか？」

酒「それをやめてもらえないかな？」

「？」

それ…敬語のことか…？

酒「敬語。あのさ。もう既に一回普通に話してるのにまた敬語っておかしくない？」

「っ⁈」

一回話した…あいつが妖怪を連れいているとき…

確かに話した。あの時はサラッとスルーしたけど。

気がついていないと思っていたのに…

「…私はあなたと敬語以外で話したことがありませんが？」

もちろん嘘をつく。

酒「へー。俺はわかってるけどなー。君が“樹恩”だって事…」

もう驚かない。平然としている。

「…………」

酒「認めたら？まぁ認めないなら認めさせるまでだけど…覚えてるだろ？俺とお前が樹恩の時に話した事…」

「……もし認めたらどうするんですか。」

酒「うーん。まず敬語を外してもらう。」

「こちらに得は無いのですか。」

酒「そんなわけないじゃん。君が樹恩だって事をバラさないであげる…どう？認める気になった？まだ手はあるよ？証拠があるし。」

どれだけ認めさせたいわけ…

「…証拠とは？」

酒「…ブレザーの中に隠してるペンダント…」

よく見てるねぇ…

「…他には？」

酒「まだ認めないのか。じゃあ最後に徹底的な証拠だ…」

「…………」

酒「お前の体内に蓄えてあるとてつもない量の妖気…普通の人間にはないはずだ。その妖気が最も動かぬ証拠だ。」

もう無理か。帰してもらえないだろうな。相手の妖怪だし。

「…ふーん。よく見てるんだね。」

敬語を外してやった。すると酒呑さんは満足そうにゆっくり鼻を鳴らして笑った。

「…これからもこれじゃないとダメなの？」

酒「もちろん。じゃないとあいつらにバラすよ？」

もはや尋問…→←あざを治す方法

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す