番外編3【主人公said】 ページ11
帰す気はないらしい。
(………余計に考えないと…)
でも今は無理なので、元気になるのを待つのみだった。
寝転んでいたが、顔が近くてなんだか嫌になったので、ベッドの背を背もたれしにして、座った。
するとさとみさんも、膝立ちをやめて、ベッドの上の…私の近くに座った。
(なんだろう…優しく見える…？)
しばらくさとみさんの顔を見つめていると、クスクスと笑いながら私に話しかけた。
「どうした？俺に見惚れてた？」
「……そんなわけない」
なぜか即答できなかった。
そして、それを起点として、溜め込んでいた不安とともに寒気が体を一気に駆け巡る。
ある一点しか見なくなったことや、さすがに顔色の悪さにも気付いたようで、大丈夫か、と心配をしてくれた。
まぁ、いうまでもなく大丈夫というが、声が震えてしまったばかりに現に抱き締められている。
「…大丈夫。A。俺がいるから。大丈夫だよ」
さとみさんの声は前からだが、私にとっては不安や緊張を和らげる効果があるような声だった。
頭をテンポ良く撫でるのも、何故か全くそのテンポはずれない。
(…慣れてる。女の扱いに
…………ダメだ。今日の私本当におかしい)
そんなことを考えるなんて、らしくない。
「…A、ちょっと外の空気吸ってこよっか。」
と言って連れてこられたのは屋上。5階建ての建物なので、そこそこ位置が高い。
(というか、夜だったのか。全然気づかなかった。)
ベンチに座ってぼーっと夜風に当たっていると、さっきよりも体が楽になった。
「ちょっとここで待ってて」
さとみさんはそう言って何処かへ行ったが、数分後すぐに帰ってきた。
淡いピンク色の薄い毛布。さとみさんが仮眠するときに使ってるやつだ。
「ありがと…」
頭をポンポンと撫でたあと、隣に座った。
「俺が風邪引いたら看病しろよ」
「……自己責任じゃないの…？」
「見返りを求めてる」
「はぁ…わかりました…」
「ん、いい子いい子」
子供じゃないんだぞ、と言いたくなったが、口を紡いだ。
数日後。無事治った。
そして、案の定さとみさんに移り、私が看病する羽目になった。
______
間違えて公開してしまっていたので、もう公開しちゃいました。
すんません…
あと更新もできず申し訳ないです。
学生でして…ご理解いただけたらと思います。
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aruya100(プロフ) - ご覧いただきありがとうございます。どなたでも読みやすいように書けるよう善処します…(汗)ありがとうございます、少しでも更新できるよう、お話し進めて参ります！ (2022年4月2日 23時) (
レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
rine - 内容が少し難しいかなと思ってたけど、すごく面白いです！ 負担にならない程度に更新頑張ってください！ 続きが楽しみです… (2022年4月2日 9時) (レス) @page22 id: e67e995d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aruya100 | 作成日時：2020年11月19日 20時
