陸拾伍の談 ページ18
その後。
もうしばらく元々村にいた、鬼にされた子などについて討論を重ねた結果がでた。
日が傾いている。もうすぐ暮れそうだ、まずいな。鬼が出る。
「結果としては…その子たちは諦めようということで…」
「いいでしょうか?」
「…………はい」
丸々半日くらい戦った後そのまま話し合いをぶっ通しで行ったため、皆疲れて最後には結局何がどうなのか訳が分からなくなり投げやりに。
これがその結果である。
継国A、撃沈。
完全に論破されてしまった。
言葉の暴力…いや、数の暴力とも言えよう…
私より長く生きてることもあって、かなり経験値もあるのだろう。
「まぁまぁ、何か鬼側に動きがあれば探しにいきましょう。ね?」
「…わーってるよ。」
これではまるで、私が駄々こねているみたいじゃないか。くそぉ。
「……ちょっと一人にさせて欲しい。…あ、勘違いしないで欲しいのが、さっきのことで一人になりたいんじゃないからな。」
「わかりました。村の警備にあたってきます。」
「はーい」
…………。
あんたらこの村のセコムでしたっけ?!
警備?!警備ですか?!
……まぁ、セコムといっても間違いじゃないか。
昔から守ってきたからねぇ。
守るっていっても結界張って見回りするだけだが。
私は、神社のさらに上にある滝の方へやってきた。
今日は満月らしい。
丸くて大きな月が、太陽の沈んだ反対に山から顔を出している。
いつ見ても綺麗で神秘的な光景。
何百尺あるだろうか。どこから湧いているのかわからないが、透明で、飲んでも害がなさそうな天然水と言えそうな水が落ちてくる。
この水はそのまま村に引かれた川に流れて生活用水や農業に使われる。
私は滝の上まで登って、すぐ隣には水が流れる崖に座った。
空気が薄い。水しぶきか霧かが月に光に反射して虹ができる。
鮮やかな色…と関連して前の世界で見た虹の記憶が蘇る。
記憶に関連して、今度はさっきあったことを思い出していた。
なんで反対したんだろうねぇ、白西達。
今まで見たことなかった。あんな必死な顔、そして声。
私は酷く吃驚したよ。
無惨と接触するから?
白西達にとって何か都合の悪いことがあるから?
ただ、気に入らないだけ?
なんでもいいけど、今回は諦めよう。
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aruya100(プロフ) - サヤさん» ご覧頂きありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるよう励みます…!!!応援感謝です! (2020年12月6日 0時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年12月5日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - 毬莉さん» ご覧頂きありがとうございます。続分かりました!30分以内に更新いたします!!応援感謝です! (2020年11月1日 10時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - すごく面白かったです!是非続きが見たいので更新頑張ってください! (2020年11月1日 9時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - 颯さん» ご覧いただきありがとうございます。誤字確認いたしました。修正します。お教えいただきありがとうございますm(*_ _)m (2020年5月26日 11時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aruya100 | 作成日時:2020年5月21日 18時