記憶 ページ3
主は交通事故にあった。
後遺症も一つしか残らなかった。
でも、その一つが俺たちの幸せを奪った。
「本丸での記憶が無い。」
近侍だった俺の事
初鍛刀だった薬研の事
本丸のみんなの事
何一つ覚えていない。
「嘘だって言ってよ…………ねえ…………主…………」
「ごめんね。私もこれが嘘だったらよかったって思ってる。」
「俺の事わかんないくせに馴れ馴れしく喋んないでよ！」
「………ごめんなさい。」
自分の発した言葉にハッとする。
酷いことを言ってしまった。
「………ごめん。」
「いいですよ。」
「悪いのは私です。むざむざと事故に遭い、記憶を失うなんて。
本当に馬鹿ですよね。ごめんなさい。」
「いいんだよ。主は記憶がなくても主だから…………」
仕草、声、何一つ変わらない主。
無いのは記憶だけなんだ。
「無理しないでいいよ。えっと…………清光。」
「え……？」
「私、前はそう呼んでたんでしょ？」
「なんかそんな気がして。」
「…………ハハッ。」
主は主。
「主らしいな。」
それは変わらないんだ。
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伊兎羽(プロフ) - ユラさん» おうよ！任せとけ！ (2016年12月22日 20時) (
レス) id: ee1870178b (このIDを非表示/違反報告)
ユラ(プロフ) - 頑張れぃ、伊兎羽さん (2016年12月22日 20時) (レス) id: ac02456d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊兎羽 | 作成日時：2016年12月22日 14時
