及川さんには狐と狸な先輩がいたらしい。#2

狐と狸と他校のコウハイ ページ9

「狸森陽太さん、貴方は白鳥沢に来るべきです。」




side狸


笑えねえ

「...白鳥沢の一年か、お前。」

紫のジャージ
つい数ヶ月前まで小学生だったという幼い顔ににあわないほどの王者の器としての貫禄


となりのアホから漏れる殺気に、同じものを感じているのだろうなという安心を覚えている自分を殴りてぇ。

「...お前名前は」
「牛島若利...です。」

「そうか...牛島若利、お前は俺より年下だし初めて会ったっつー事で今回だけは許してやるよ。









俺(狐)の前で二度とその話をするな。」



できる限りの怒りを込めて、牛島を見下ろすと牛島が少しだけ目を見開く。

「...まあお前にも、そう思った純粋な理由があるんだろうが、俺にも北一(ここ)でバレーをしてたい理由があるんでな、その理由がなくなったら白鳥沢に行ってもいいけどな。」

まあ、この先もなくなることはないだろうな。
それにしてもちょっとやりすぎたか...?まぁ謝りはしねえけど。


「......そうですか。」


牛島が少し、俯く。


『にしてもキミ、他校の3年に声かけるなんてすごい勇気だよね〜。道わかる？白鳥沢の集合場所まで送ってってあげようか？』
「お前はちょっかいをかけるんじゃねえよバカ狐！」
『ちょっかいじゃないよお茶目なお節介だよ！』
「何がお茶目だアホ狐！」
「いえ、道はわかりませんがチームメイトが外で待っているので大丈夫です。」
『待たせてたの！？』
「こっちはこっちでマイペースちゃんかコノヤロウ」

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