【HQ】俺の気持ちを受け取ってください【岩泉編ファイナル】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:11,357 hit

２３０個目の気持ちページ7

.

『花巻、どこ行くの？』
「う～ん。あと、もうちょい～」

花巻に手をひっぱられながら、学校の校舎から少し離れたある場所につれてこられた。

「よし、ついた」
『ここは...』
「ああ、覚えてるか？」
『うん、覚えてるよ』

つれてこられたのは、第２体育館裏。
私がよく部活で疲れると休憩する所だ。
そして、もう一つの思い出の場所。

『ここで部活の先輩に怒られてうなだれている花巻と出会ったところだよね？』
「うなだれてるは余計だ」
『はいはい。悔しそうに泣いてた、花巻君に出会ったところだよねー』
「泣いてねーっつの....！」

ははっと笑いあった後、近くにあるベンチに一緒に座った。
座った数秒、沈黙がつづく。が、その空間はすぐにやぶれた。

「昨日は本当に悪かった」
『え？』

突然、謝った事に私は戸惑う。が、花巻はそれを気にしないで喋りつづけた。

「昨日、俺が誘わなかったら、お前は部活行って、
　チームメイトと一緒に帰ってたんだろうなって思ってよ。
　そしたらさ、あいつに誘拐されなくて、神崎が傷つく事はなかったんだなぁ～って思った。
　だから謝る。ごめんな」

そんな事思ってたんだ....
アレは誰のせいでもない、遊園地の時に私がケンカを売るような事したからなのに。
昨日からずっと自分のせいって思ってたんだね。

『.....そんな事ないよ、花巻のせいじゃない。
　きっと、友達と帰ってもさわられたと思うよ。
　だって、あいつは欲深い人間だから....』

「そうか....？」

『うん。それに、あの時間でよかったよ！
　もしかしたら、今こうやって学校に来れないで、今でもずっとあの場所にいたかもよ！
　だから....その..... さらわれたのが昼頃で本当によかったよ！
　だから、花巻は悪くないから元気だして....って！？』

髪の毛を彼の大きい手でワシャワシャと撫で回された。
そして、花巻はなぜか笑っていた。

「はは....！なんだよそれ！あんだけの事件だったのに、俺のこと慰めるなよな！」
『だって！』

はは！っと笑いながら、また私の髪を動物のように撫で回す。
だが次の途端、大きな力で私の背中を前っと押されたのだ。
そして、私の体は彼の胸の中にすぽっと収まったていた。