【HQ】俺の気持ちを受け取ってください【岩泉編ファイナル】 (ページ34)

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２５７個目の気持ちページ34

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『徹.... 本当にありがとう.... ごめんね......』

背中からお腹にかけて手を回し、
ぎゅっと抱きしめられるAの行動に、
我慢していた俺の涙はAの手を雨が降り始めた時と同じようにポトポトと濡らしてしまった。

「三年間、いつもそばにいてくれて心強かった。
　毎日幸せだった。
　なのに徹に何も恩返しできてなままだね。
　本当にかっこ悪いよね、私って....」

その言葉を聞いた俺は「ああ、Aには俺の思ってる事、なんでもお見通しなんだな」って、改めて思いしらされた。

それが、どのくらい愛して築いた信頼だって事を十分わかった。
今まで、岩ちゃんの心があってAは俺を本心で愛してくれていたのかと思っていたけど、そんな事はなかったんだ。

俺達はちゃんと好き同士だった。
その気持ちをAから言わせるなんて、俺の方がよっぽどかっこ悪い.....
それなら、俺はこのままAの気持ちに甘えさせてもらって最後の悪あがきをさせてもらおう。

「俺はAに恩返しして欲しい。なーんて、今までこれぽっちも望んでないよ」
「....え？」

彼女の手をはがして、泣いてカッコ悪い顔でも、
最後ぐらい俺の生き様を見てほしく、そのままの顔でAと向き合った。

「こんな俺にAはずっとそばにいてくれた事が幸せだった。
　俺の身勝手な愛し方にも嫌って言わないで、付き合ってくれた事も。
　そんな、わがままばっかな俺の気持ちを受け取ってくれた
　Aが愛おしくって本当に幸せだったんだ。
　正直に言えばフラれたって、諦められないほどAが好きだ。
　岩ちゃんの所になんて行かせたくない。だって俺はAの事が....」

そう言って、そっとAの顎に手に添えクイっと顎を持ち上げながら、
優しくそっと口づけをした。
そして、そっと唇を離しAの目を見つめながら、君にこの言葉を捧げよ。
君の幸せに.... 俺の愛をこめて....

「このキスが忘れられなくなるまで、岩ちゃんにいっぱい愛されてもらいなよ。
　俺が愛した以上に、 Aが俺を忘れるぐらい....
　それが、俺に対する最高の恩返しだから....」

きっとこれで、俺は救われた。

「わかった？」

お互いに涙を流しあいながらAは『うん...！』っと笑顔で返事をされた時。

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これが失恋という気持ちなんだと....

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笑って、君の背中を押せる気持ちができた事に...

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俺の後悔はなくなったと、この時思った。