254個目の気持ち ページ31
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エレベーターで、Aが眠る会場へむかう。
ボタンを押して数秒で到着。
ドアが開くとふっと目につく。
先頭にぽつんとパイプイスに座る人がいたのだ。
「岩ちゃん?」
「ああ、及川か....」
それは岩ちゃんだった。
振り返った顔はとても元気がない表情だった。
それよりも、振り返る前の背中は悲壮感を漂わせていた。
「どうしたの?
そんな離れた所に座って....
近くに来て、顔見ないの...?」
そう言うと、岩ちゃんは首を横にふり下を見つめ続けていた。
まあ、気持ちはわかる。
俺も、ずっと見ていたらきっと苦しくて、泣きたくなるだろ。
でも、明日になったらもう、この顔を見れなくなる。
だから.....
「見るの辛いと思うけど...「消えないんだ....」....え?」
苦しい声は俺を話を無視して喋りだす。
それは、見ていられないほどだった。
「消えないんだよ、俺の脳内から....
あいつの声も笑顔も肌の感触も、泣き顔も、髪の匂いも....
あの日の夜の事が全て.....
俺の脳内から消えねんだよ.....」
そう言って、ははっと笑った後に俺に向かってこんな事を言ってきた。
「悪いな、及川。
俺のせいでAを死なしちまって。
あんな事を俺が言わなければ.....
Aは公園に向かわないで車にひかれる事はなかった....」
そう言うと、深い溜め息をした後に今度は横に首をふって、次はこうつぶやく。
「....いや、違う。
Aとヨリを戻さなかったら、お前とAは幸せだったのによぉ....」
「岩ちゃん....」
「結局俺は、Aを不幸にさせる事しかできない、
そうゆう運命だったんだよな....
きっと、空の上で俺の事を恨んでるだろうよ....」
ずっと一緒にいた幼馴染みだからこそ分かる事で、
そんな自分を惨めに言う人ではない事を知っている。
だから俺は、岩ちゃんに近づき肩に手を置いて慰めようした。
「岩ちゃん、そんな事は絶対に....」
そう言った途端だった。
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作者名:アルテミス | 作成日時:2018年6月17日 19時