【HQ】俺の気持ちを受け取ってください【岩泉編ファイナル】 (ページ30)

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２５３個目の気持ちページ30

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「はぁ.... 今日は寒いな....」

７月の上旬なのにも関わらず今日にかぎっては少しだけ肌寒かった。
空を見上げると雲の隙間から綺麗な満月が顔を覗かせ俺の悲壮な顔を明るい光で照らした。
その光に、少しは癒される事だと思ったが、俺はそれを見ても何も感じなかった。

なぜなら、輝く綺麗な星が見えなかったからだ。

不意にAの顔を思い出し、涙腺が緩む。
急いで涙を手で拭き、右ポケットに手を突っ込んである物を取り出した。
それはハンカチではなく、白色の花柄レターだった。
宛名には愛しい神崎Aへと書いてある。
これを棺桶に入れようと昨日の徹夜して書いた物だ。

「この手紙、ちゃんと天国で見てくれるかな......」

Aに想う、すべての感情をこの手紙に書きつづった。
これを読み終わった時、この内容にAはなんて思うだろうか...

Aの事だからいつも見たいに

『本当に徹っていい性格してるよね。悪い意味だけど...』

って、飽きれた顔されるんだろうな～

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けど、それでもいいと思う俺は本当に馬鹿なんだろうと思う。

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まあ、俺にとってはいい意味のほうだけどね....

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「A.... 今日の月は俺の中で世界で一番、綺麗な月だよ。

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　永遠に忘れる事もない、綺麗な月だ...」

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この意味を天国で理解してくれるだろうか....

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そしたら俺は、安心してこの手紙を君の棺桶に入れる覚悟がある。

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「まぁ、長い目で見ててよ....」

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俺は手紙をポケットにしまって、永遠に眠る”愛している人”のもとに向かった。