【HQ】俺の気持ちを受け取ってください【岩泉編ファイナル】 (ページ18)

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２４１個目の気持ちページ18

学校から帰って来ると、急いで着替えて家をでた。
そして、少し遠くにある坂を下り、突き当たりを右に曲がる。
そのまま真っ直ぐ歩くと、ある花屋がある。
そこは、駅に近い花屋と比べるとそこまで大きくもないが、
珍しい花や、季節的にはないような花を取り揃えている。
俺は、そこに向かった。

「すみません！」

店に入り声をかけると、奥のカウンターから１人の女性がでてきた。

「はーい。おまたせしました～」
「すいません。あの、チューリップの花はありますか？」

SNSで調べた。チューリップの開花時期は3月から５月。

今は６月の下旬。

普通の花屋だったらないかもしれない。
でも、ここだったらあるはずだ。
なぜなら、数十年前にこの時期に買った事があるからだ。

「チューリップの花ね.....」

(もしかして、ないのか？)

「あの.... もし、ないのであれば、薔薇の花でもいいんですが.....」
「薔薇の花でいいの？」
「ないのであれば....」
「ありますよ。さっき入荷したばっかなのよ！」

(あ、よかった....)

「だけど、売る為に色々とやらないといけないの。何本欲しいのかしら？」

「.......１本でお願いします」

「わかったわ。少しだけ時間をもらってもいい？
　大体、１５分ぐらいなんだけど....」

時計を見ると、１６時だった。
ここから、約束の場所まで約３０分。
約束の時間までギリギリだけど大丈夫だろう。

「平気です」

そうゆうと、店員さんは二つの花を見せてきた。

「赤と白、どっちがいいとかある？」

そう言われると迷う。
チューリップならなんでもいいと思っていたからだ。

(Aは、なに色が好きだろうか....)

「うーん....」

色を決めるだけで、時間をかけてはいられない。

けど、Aのためだ。

ちゃんと決めてやらないと.... っと、思った時だった。

「大切な人に贈る用かしら？」

険しい顔をしていたせいなのか、店員が察して聞いてきたのだ。

「はい....」
「好きな人に？」
「.....はい」
「じゃあ、赤の方がいいわね！」

そう言って赤チューリップを見定めた。
それより、どうして赤なんだ？っと思い聞いて見た。
すると、店員はこんな事を話してきた。

「花言葉って知ってる？」
「いえ...」
「すべての花には花言葉があるんだけど、
　色が違うだけで意味もだいぶ変わってくるのよ」

そういって、赤いチューリップを１本とり、俺の前に見せつけながら解説しはじめた。