２３４個目の気持ち ページ11
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「A」
『なに、一？』
「その、無事に学校に来てくれたからよかった。
今、及川は監督に呼ばれていないけどお前の事を心配してた。
後で時間あったら顔でもだしてやってくれ」
『わかった』
そう返事をすると、一はなぜか照れはじめる。
なんとなく、私も照れはじめてしまう。
まあ、昨晩の事を思い出すと、
暗くてお互いちゃんとした顔を見れていないし、
それが逆にあの時の事を思い出すと余計に照れるものだ。
でも、そんな事よりも今日の１７時のことを思い出した私は照れを隠した。
けど、一は何か言いたそうだった。
『....何かあったの？』
私はそう聞くと、目を逸らしながら、あー.....っと言いづらそうにしていた。
『なに？』
少し面白そうだったから、一の顔に近づいて耳を口らへんに持ってきた。
すると、ぼそっとこう言われてた。
「....そのだな。
さっき、金田一の言葉で気になる事があってだな....」
『ああ。体、痛くないですか？だっけ。それが、どうかした.....』
不意に一は、ぼそっとこう言ったのだ。
「昨日の...... 腰、痛くないか？」
『へぇ...！？』
その言葉に、思わず顔が赤面する。
その意味を理解したからだ。
『一の馬鹿！急にそんな事言いだして....
べつに、腰は平気だけど.......はぁぁあああー！！』
「お前が聞いてきたんだろ！てか、落ち着け！」
『だって、まさかの事で...... 心配してくれてありがと』
「....おう」
何これ。
これじゃあまるで、カップルの会話じゃん。
けど、まだ私達は正式なカップルではなくて....
なんか、複雑な気持ちだ。
「....遅くなってもいい。
だから、来いよ。
ずっと待ってるから。
早く、お前と同じ気持ちになりたい......」
そう言って、片手で私の後頭部を優しく包み、そっと自分の胸に持っていった。
『うん。絶対に行くから、待っててね』
「ああ....待ってる」
この光景を他の人がみたら、完璧に恋人に見えるだろう。
もちろん、私達は心も体も捧げあった。
ここまでしたのに、私達は恋人ではない。
今は、ただの幼馴染み。
もう、あの約束はなかった事にして、恋人でいたいと思うと......
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『一.....』
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「うん....？」
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『胸が苦しいよ...』
.
「俺もだ....」
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一も私もきっと、そう思っているのが私達にとって一番つらい。
っと思った瞬間だと思った。
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作者名：アルテミス | 作成日時：2018年6月17日 19時
