【HQ】２ 最終章 俺の気持ちを受け取ってください【及川・岩泉】

１９７個目の気持ち　岩泉side ページ7

岩泉side


ピッ！ピッ！ピッ！....


辛気くさい病室の一室で、リズムのよい安定した心電図のフラット音が鳴り響いていた。
その機械に繋がれたチューブみたいな物に包まれた電線に、
服や布団で見えないがAの体のあちこちに繋がれていた。
静かに漏れる呼吸音を聞きながら、俺と栞はじっと眠っているAを心配そうに見つめた。


「A....」


栞はAの手を掴み、数分ごとに呼びかけながら反応しないAに深い溜め息をついた。
俺は、その様子を見ながら走馬灯のようにあの日の記憶と医師の言葉がずっと頭の中に流れていた。


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あの後、急いで落ちた場所に行くとすでに救急車が着いていた。
タンカに乗せられてたAはすぐに病院へと運ばれ、
俺達はコーチと監督に説明して病院へと向かったのだ。


搬送された病院に着くと、すでに処置は施されていてAは救命室に運ばれて眠っていた。
その後、Aの両親が仕事を早退して病室に来た時に、医師からの説明をされた。


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「娘さんは、運がいい事に落ちた場所が草むらや木々が多い場所だったので、
　
　クッションの役目になったので衝撃も少なく、命の危険はありません。

　しかし、体に複数の傷跡と多少頭を打っているかもしれないので、

　意識が目覚めるうちは安静とは言えません。

　なので、今日１日は何があるかわからないので救命室にいてもらいますので、ご了承下さい」


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そう言って、頭を下げて医師は出て行った。



その場で、泣く母親とそれを慰める父親。



そして、俺達はその場を離れ、学校に戻った。

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その後は、栞と中川は先生に呼ばれて事情説明をさせられた。
中川は自分が神崎さんを屋上に呼んだ事だけを認めてその後の事は何も言わなかった。
そのおかげか、栞は何もペナルティーを受けずに済んだが、
中川がしばらくの停学処分をくだされた。

その後、俺と及川は授業はもちろん、バレーにも集中できずに刻々と時間だけが進んだ。
放課後、花巻にはぶん殴られて、女子バレー部の副主将には強烈なビンタを加わされた。


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「あんた達がAの気持ちを掻き回したから、こんな事になったのよ！

　いつも一緒にいた幼馴染みの気持ちがわかるのに、なんでこんなに悲しませるのよ！！
　
　あんた達は、幼馴染み失格よ！！！」

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その言葉は、俺の中にも及川の中にも耳にこびり付いたように数日間は離れなかった。

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