【HQ】２ 最終章 俺の気持ちを受け取ってください【及川・岩泉】

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素直に思った事を言っただけで、後は何もかも変わらない。
でも、一つだけ変わった事がある。


『....どうしたの？ 急に後ろから抱きしめて....』
「A....」
『....なに？』
「Aの事、大好きだよ...」
『....うん』


最近の徹は、前みたいに....


.


「A、愛してるよ」


.



私に“愛してる”と言わなくなったのだ。


.

.



７月１８日(金)午後４時４０分 ファミレス内


『あ〜.... これだけ勉強したから、もういいでしょう〜』
「うん。 これで、月曜日の期末テストは大丈夫だね」


あの後、私達は来週から始まる期末テストを勉強する為に毎日ここのファミレスで勉強をしている。
この熱い夏に、クーラーが効いている部屋に飲み放題のドリンクバー、そして広く大きい机。
ここは勉強するのに最適だ。
それに、前は付き合っている事を内緒にしてたので、徹の家で勉強する事が多かった。
けど、内緒にする事もないし、こうやって２人で家以外のデートができる事に嬉しい自分がいる。

ドリンクバーで注いできたコップに刺さるストローを口に加え、
メロンソーダを飲みながら月曜日のテスト教科が気になった。
ごくんっと口に入った甘い液体を飲込んで、教科書を読んでいる徹に聞いた。


『ねぇ、初日の教科ってなんだっけ？』


すると、徹はスマホにメモでも書いてあるのだろう。
画面を操作しながら喋りはじめた。


「えっと....。月曜日の２１日は、英語と生化学かな？」
『え....』


その言葉を聞いて、私は大切な事を思い出した。


「どうしたの？ Aの得意分野じゃない？」
『ごめん、徹...』
「なに、どうしたの？」


ここ最近、色々とあって忘れていた。


『テスト前日、誕生日だったね...』
「うん、そうだよ？」
『忘れてた...』


そう言うと、忘れた事に不貞腐れるのではなく、はは！っと笑ってこう言ったのだ。


「大丈夫だよ。俺も忘れてたし」
『そうなの？』
「うん。だから、気にしなくていいからね」


そう言って、読み途中の教科書を読みはじめた。

いつも徹の事で何か忘れると


「え〜 Aは俺の事を愛してないんだ！」


って言うのに。なんか、優しすぎる....


もしかして、怒ってるのか？


「A」


悩んでいた時に、名前を呼ばれて前を見ると、
教科書を畳んで私を見て微笑んでいる徹と目が合った。


『なに？』


そう言うと、徹の手が伸びてきて私の左手を指同士で絡めてきて口を開いた。

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