#14 黒鬼 ページ15
「さーてここだ」
薄暗い部屋。恐ろしく顔を歪めた鬼が円形に集まっていた。
グレンによると、最上位の鬼神を封入した武器が集まっているところらしい。
グレンの腰に刺さる剣が黒光りする。
「黒鬼」と呼ばれる希少なシリーズに、挑戦させてもらえるのだ。
「好きな武器を選んで儀式陣に入れ。
武器に触れたら自動で契約の儀が始まるようにできてる。」
私たちはめいめいに武器を選び、儀式陣に入った。
私は赤黒く塗られた日本刀を選んだ。
「お前らが負けなけりゃ力が手に入る」
君月はグレンに問いかける。
「もし負けたら？」
「人食いの鬼になるか、鬼の力に押しつぶされて死ぬか。
あーでもどっちにしろ死ぬな。人食い鬼になったら俺が殺すから」
そうか。
まあいいや。どうせ、吸血鬼と戦うんだしいつかは死ぬ。
私は黙って、刀を抜いた。
× × ×
『………』
きがつくと、真っ白な部屋にいた。
ドアは鉄製で固く重く閉ざされていて、ドア以外に出口はなさそうだ。
そして、ここには見覚えがあった。
目の前には、黒々とした、得体の知れないものがたたずんでいた。
《うふふ、こんにちは、伊織ちゃん》
女の子の笑い声と共に聞こえてくるのは鬼の声。
『なんでこの場所を…』
《いやあ、懐かしいでしょ？覚えてる？僕が君の記憶から具現化してあげたんだよ》
『………』
《それに君の心の中探ったけど酷かったよ。あんなもの初めて見た》
『…』
《あと、…君、おかしいよ。心の中では深い増悪が渦巻いてるくせに、
顔には全然でてこない。不思議だなあ、あんなことされたからふさぎ込んだんでしょう？》
『…』
《で？なんで僕を呼んだの？》
突然の問いかけに答えが出てこない。
しばらく考え込んで、鬼に向かって言った。
『逃げ惑うことしかできなかった私だって、力をふるえば簡単に殺せること。
…見せてやりたい。それに…』
ふう、と一拍おいて、また口を開く。
『怯えて逃げるだけの生活から抜けたらつまらないし。
退屈したくない…から、
＿＿＿＿＿＿力が欲しい。強くて大きい、力が。』
鬼はそれを聞いて目をパチクリさせていた。
そして黙る。
一体、何を考えているのだ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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あるたそ@ライバー(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！！なかなか更新できませんががんばります (2016年7月29日 14時) (
レス) id: 05ff3422bd (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - これからどうなるか楽しみです、更新頑張ってください。 (2016年7月6日 1時) (レス) id: cb3c3b9b5b (このIDを非表示/違反報告)
あるたそ@ライバー(プロフ) - 薊さん» ありがとうございます笑 楽しんでもらえて何よりです！！ (2016年1月14日 19時) (レス) id: 05ff3422bd (このIDを非表示/違反報告)
薊 - 面白いです。夢主ちゃんの感情があまり無い設定が私には堪らなく美味しi((更新頑張って下さいませ! (2016年1月12日 20時) (レス) id: d9ed39c425 (このIDを非表示/違反報告)
あるたそ@依存症(プロフ) - 紫苑さん» ありがとうございます！ (2015年8月6日 18時) (レス) id: 05ff3422bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるたそ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/arutaso/
作成日時：2015年8月4日 10時
