episode11 ページ13
無事に、といっても自己紹介とそれにまつわるクイズを含めた比較的軽めな記事が完成した。
ふくらさんと河村さんは企画会議あとつきっきりで内容考えたり、文章チェックなんかもしてくれて、助けられてばかりだ。
そして1日たった今日は、編集長である伊沢さんの最終チェックを受けに行く。
大学からそのままオフィスに向かおうと門を出ると、背後から私を呼ぶ声が聞こえる気がした。
「Aーーーー！！！！」
この声は、と思って振り向くと、笑顔で私に向かって手を振っている山本さんが。
私と目が合うとこっちに走ってきてくれる。
「今からオフィス？いっしょに行かない？」
『はい！今日はクイズ研究会ないんですね』
「あるけど、A見えたからオフィス行きたくなっちゃって」
『そんな気分な感じでいいんですか？』
「まあ、トップの特権だよねえ」
笑いながら、顔を見て話してくれる山本さん。
女子の私も羨ましいくらい天使オーラが出てる…
電車に乗ってる間も一瞬なくらい会話が盛り上がって、気がついたらオフィスについていた。
鍵は、空いていた。
「こんにちはーー」
『おじゃまします』
「あーおかえりー」
ふくらさんの微笑みで迎えられる。珍しく、川上さんとふくらさんの２人しか来ていないみたいだ。
「え、２人一緒に来たんだ？ ラブラブじゃない？」
微笑んだまま、ふくらさんがからかってくる。
そんなんじゃないですよ、と２人とも否定をしていると
川上さんが作業の手を止めて立ち上がった、かと思うと、３人がいるところに向かって歩いてきた。
みんながきょとんとした顔で見つめていると、川上さんは私の服の袖をつかんだ。
そしてそのまま、私をソファまで連れていって、座らせた。
『……？？』
少しの間沈黙が続く。
川上さんが私の袖をつかんでいた手をパッと離して、気まずそうに目をそらす。
心なしか川上さんの耳が少し赤いような…
「……記事、書いたんだよね？ 初めてだし１回チェックしたほうがいいかと思ってさ」
『あ、、ありがとうございます‼ 』
新入りの私に気遣いをしてくれている川上さんに対して、なにを勘違いしているんだ私は。
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なお(プロフ) - 面白かったです、応援してます！！！ (2019年3月17日 2時) (
レス) id: 3213793685 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 楪*Yuzurihaさん» ご意見ありがとうございます。拳さん呼びは、オフでこう呼んでたらいいなという想像なので、違和感があったなら申し訳ないです。注意書きに加えさせていただきますね。 (2019年2月2日 8時) (レス) id: 150a5f5c11 (このIDを非表示/違反報告)
楪*Yuzuriha(プロフ) - 楽しませて頂いています。いつもありがとうございます。おひとつ……川上さんはふくらＰのことを拳さんとは呼ばないのでお気をつけを。 (2019年2月2日 1時) (レス) id: c6bcc792c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2019年1月30日 23時
