川上side ページ12
桜木さんがクイズノックのメンバーになった。
その事実だけで本当は嬉しいんだけど、俺は柄にもなく悩んでいる。
まず、山本と桜木さんの距離が近い。
別に俺がどうこう言うことではないけれど、こないだなんか自然に飲み物を回し飲みしていたし。
元々知り合いだからって、いくらなんでも…
それに、須貝さんはよく頼られている。
あまり自分から人に頼らない桜木さんだけど、須貝さんにはよく何かを訪ねたり、頼んだりしている。
きっと、年上で、話しやすいとかいう理由なんだろうけど、俺じゃダメなのかなとか思ってしまう。
河村さんもこないだ自然に手を引いていたし、伊沢さんも……
「はぁ…」
考えていたらきりがなくなって、ついため息をついた。
「川上、どーしたの？」
拳さんだ。
拳さんは人の異変にいち早く気づいて、力になってくれる。
「いや、ちょっと悩んでて」
そこでふと、拳さんになら相談してもいいんじゃないかと思った。信頼できるし、何かアドバイスをくれるかもしれない。
「実は」
俺は、桜木さんが他の人と距離が近いのを見ると、なんとなく嫌な気がすることを話した。
「なんでそう思うのか、心当たりはないの？」
心当たりと言われても、今までこんな感情を抱いたことはなかったし、桜木さんや他のメンバーが嫌いなわけでもないから、全くわからない。
「ないですね。」
「そっか。それはねー…」
拳さんは曖昧な笑顔を浮かべた。
「うん、僕が言うべきことじゃないかな。
川上がもっと積極的に桜木さんと関わってみれば何かわかると思うよ」
「…ありがとうございます」
意外と物事をハッキリ言う拳さんにしては、何かを濁すような言い方だと思った。
けど、何か意味があって言ってくれているのはわかった。
積極的に関わる、か…
考えているうちにドアが開く音がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なお(プロフ) - 面白かったです、応援してます！！！ (2019年3月17日 2時) (
レス) id: 3213793685 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 楪*Yuzurihaさん» ご意見ありがとうございます。拳さん呼びは、オフでこう呼んでたらいいなという想像なので、違和感があったなら申し訳ないです。注意書きに加えさせていただきますね。 (2019年2月2日 8時) (レス) id: 150a5f5c11 (このIDを非表示/違反報告)
楪*Yuzuriha(プロフ) - 楽しませて頂いています。いつもありがとうございます。おひとつ……川上さんはふくらＰのことを拳さんとは呼ばないのでお気をつけを。 (2019年2月2日 1時) (レス) id: c6bcc792c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラ | 作成日時：2019年1月30日 23時
