隣人の鷹見さん (ページ16)

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あの日から数週間が過ぎた。

想像を絶する被害規模と被害者の数々。
確実に歴史へ名を刻むだろう惨状を生み出したヴィランは、今頃何をしているのだろうか。

鷹見さんとは未だに連絡がとれない。
無事なのか、知る術(すべ)がない。

終わりの見えない不安と心配が、私の中にずっと住み着いている。

そんな時、自宅のインターホンがなった。
呼び出しに応じ、ドアチェーンを付けたまま玄関扉をゆっくりと開ける。

「…ただいま。」

ニヘラと笑う鷹見さんがそこに居た。

急いで私は内鍵を外し、彼の元へ抱きつく。

「おぉっと。仮にも俺、負傷者よ？」

労(いたわ)ってよと、冗談めいて話す彼は嬉しそうだ。
しかしながら、彼の傷跡よりもまた会えたことの方が今の私には重要で、しばらく鷹見さんから離れることができなかった。

「ごめんね。思ったよりも仕事内容が重かったよ」

ソファに腰掛けてハハハと爽やかに笑う鷹見さんが、幼子をあやすように私の頭を撫でた。

撫でていない方の手にはギプスが付いており、白い包帯が悪目立ちしている。
チラリと背を見ると、以前よりも小さくなってしまった赤い翼が。
整った顔にも擦り傷が沢山みえる。

「…大丈夫？」

大丈夫なはずないのに、何故か私はそんなことを聞いていた。

「…もう、大丈夫だよ」

ギュッと苦虫をかみつぶしたような顔で答える鷹見さんは、全然大丈夫そうではなかった。

「あー…だめだ。ごめん、大丈夫じゃない」

クシャリと困ったように微笑んだ彼は私の首に手を回し、映画のワンシーンのようなキスをした。

「充電。なんて」

してやったりというような顔で笑った鷹見さんは、もう一回と呟くと貪(むさぼ)るようにキスの雨を降らせた。

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次作作成いたしました。

相澤先生に捕縛されてみたい。
そんな虚妄小説です。

数か月前からパスを無くしました。
ご興味のある方はぜひ一度訪れて頂けますと、作者冥利につきます。

『相澤先生のワンナイト』
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/arupakamof7/

余談ですが…
ホークスやらイレイザーヘッドやら、様々なキャラを元に虚妄しておきながら、好きなのは障子くんだったりします。ただ障子くんは、女の子抱きしめても握力で絞めすぎたり、ミステリアスな口布があったりで。きっと、遠くから眺めておくのがちょうど良い系なのかもです…。