隣人の鷹見さん (ページ11)

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１１羽目ページ11

スースーとあどけない顔で寝入っている。

「これくらいなら…いいよね。」

フニフニと彼の肌色の頬を人差し指でつついた。

「…っん。」

もぞもぞと彼が身じろぐ。
しかしながら、目覚めることは無かった。

相当お疲れのようだ。
私は手近にあったクッションを彼の枕になるよう配置し、そのまま鷹見さんを横たわらせた。

ブランケットは無いかと鷹見さんのリビングを漁(あさ)る。

しかしながら目当てのものは見付からない。

そうなると、自然と探さないといけなくなるのは彼の寝室しか無いわけで…。

「…失礼しまーす。」

小声でそろりと寝室に入り込んだ。
今まで1度も入ったことの無い鷹見さんの部屋。

心の奥底で罪悪感を感じながら、鷹見さんのベッドへ近づく。

大きなマットレスの上には、お目当てのブランケットがあった。

見つけたとばかりに手を伸ばすと、ふわりとそれは宙に浮く。

「…へ？」

「ごめんね、ちょっと寝てた。」

背後から鷹見さんの声がする。

「でも、もう起きたから大丈夫。ありがとう、お隣さん」

どこか棘のある言い方をされた。
無断で寝室に入られたのがよっぽど嫌だったのだろう。

私は素直に、謝罪を口にする。