い ページ1
「大丈夫、ですか…？」
誰かにトントンと肩を叩かれた。
ゆっくりと、私は重たい瞼を持ち上げる。
明るい日差しと共に、若い男性の顔がハッキリと私の視界に映りこんだ。
「ご自身のお名前はわかりますか？」
栗色の髪を揺らすように、その男性は首をかしげる。
自分の名前を彼に伝えると、安心したようにその人は微笑んだ。
「良かった…。道端で倒れていたから凄くびっくりしたんです。少し待っていてください、水を汲んできますから。」
曇りなく笑った彼は、スッと立ち上がりどこかへ歩いて行った。
ただ一人残された私は、ムクりと上体を起こす。
都会とはかけ離れたのどかな風景が広がる。
土や草の香りが、ソヨソヨと吹く風に乗せられて私の元へ届く。
「あ！無理しちゃダメですよ！」
先程の男性が、パタパタと駆け足で戻ってきた。
私の背中を片腕で支えるように、その男は腰を下ろした。
「飲めますか…？」
竹でできた水筒のようなものを手渡される。
ありがとう、とそれを受け取った私は一口水を含んだ。
「…あの、Aさん。良ければ手当てを受けに学園まで来ませんか？」
心配顔で見つめられる。
お世話になっていいものか思案した私は、とりあえず頷いてみることにした。
「良かった…！あ、僕の名前は善法寺伊作と言います。よろしくお願いします、Aさん。」
ホッとするような微笑みを浮かべる善法寺さんに連れられ、私は忍術学園と言う場所へ向かった。
「小松田さーん、居ますかー？」
木でできた門を押し開けた彼は、きょろきょろと辺りを見回す。
すると遠くから、ダダダダッという足音が近づいてきた。
「善法寺くん！おかえりなさい」
ハァハァと息を切らしながら、その男は筆を善法寺さんへ手渡した。
「ん？善法寺くん、こちらの女性は…？」
「Aさんです。はい、Aさん。ここに名前を書いて下さい。」
手渡された筆を持ち、私は善法寺さんの下に記名した。
「へぇ〜、Aさんは、忍術学園にどんな御用できたんですか〜？」
人懐こい顔を浮かべた小松田さんに、ジッと見つめられる。
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く〜ちゃん(プロフ) - つときょさん» ありがとうございます!面白いって感じて頂けるのすっごく嬉しいです!!遅くなるかもしれませんが、絶対更新します…！(滝夜叉丸くん良いですよね！短編とかでぜひ夢主と絡ませてみたいです笑) (2020年7月8日 11時) (
レス) id: 61072eb2ca (このIDを非表示/違反報告)
つときょ(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。私はあまり転生系が好きではないのですがこの作品はとても面白くてついつい一気見しちゃいました！お体に気をつけてゆっくりでいいのでぜひこれからも更新してください！（できれば滝夜叉丸とかと絡ませてもらいたいです！） (2020年7月6日 22時) (レス) id: af8443efa9 (このIDを非表示/違反報告)
く〜ちゃん(プロフ) - ありすさん» コメントありがとうございます！温かいお言葉をかけて頂き、とても嬉しいです。今以上に楽しんで頂けますよう、更新頑張りますね…！ (2020年6月22日 3時) (レス) id: 581cf551f6 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - コメント失礼します！面白くてサクサク読んじゃいました…！！夢主ちゃんが喋らない感じでお話が進んでいくのも新しくて新鮮で良いですね(*´ `)更新楽しみにしています！ (2020年6月20日 12時) (レス) id: 876b37614f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：く〜ちゃん | 作成日時：2020年4月27日 2時
