ILLUSION9 ページ9
私と雅治は夜の立海を歩いていた。
普段は生徒で賑わっている学校も夜となるとひっそりとしていてなんとも不気味である。
気がつかない間にいつの間にか雅治に手を繋がれていた。……ほんとにいつの間に。
だいぶ歩いたところで私は雅治に質問した。
A「……なんで散歩なんて提案したの?」
ようやく聞いてくれたと言わんばかりの雅治のニヤケ顔。……やはりなにか思惑があってのことらしい。
仁王「実はのう、幸村に頼まれたんじゃよ」
……なにをだよ。
仁王「どうやら幸村は明日か明後日の夜に校内で肝試しをしようとしとるみたいなんじゃ。それで俺が今日校内の下見をしてくれないかと頼まれたんじゃ」
……幸村さんもまためんどくさいことするなぁ。
校内で肝試しなんて普段からこの校舎に通っている私たちにとっては怖くもなんともないだろうに。
仁王「ということじゃから校内一周するまでは部屋に帰らんからの。覚悟しんしゃい」
……だいぶ歩いたのにまだ半分しかまわってませんよ?
どうやら雅治との夜の散歩はまだ続くらしいです。
校内もだいぶ見て回っただろうという頃。
特に危険だと思われるところはなく、まぁ肝試しにはちょうど使えるかなと言う感じだった。
そして最後の場所、調理室に立ち寄ったとき。
A「え、ちょ、なんか動いて見えるんだけど?」
仁王「確かになんかいるぜよ……でもお前さんなら怖くなかろ?」
……そう、私はかつて一世を風靡したイリュージョニスト!怖いものなんてあってなきにひとしい!……そのはずなんだけど!
A「いや、怖いものは怖いから!」
暗がりでもぞもぞ動いているそれはなんだかサルみたいな動きをしているししかも冷蔵庫漁ってるし!
完全に不審者だろ!
A「え、ちょっ、どうするの!?」
仁王「まぁ、落ち着きんしゃい。……怖がっとる姿もかわええのう」
A「もぐぞ貴様!」
そんな軽口を叩きながらも雅治がその動きがサルの不審者に近付いていく。
そしてそれの首周りをつかんだ。
??「ちょっ、毒手だけは勘弁してや!」
雅治の手の中で暴れるそれは……金ちゃんだった。
遠山「冷蔵庫のなかにたこ焼きないか探してただけやから!勘弁してや!」
……大体の事件の真相がつかめたとき、私と雅治はすでに金ちゃんを白石さんの部屋に放り込んでいた。
……一件落着。
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アリス - 凄く面白かったです!ユウジがカッコ良かったです(*^^*)そして、光が切ない(泣)とても、文才がお有りですね!他の作品も、ぜひ読ませて貰います!楽しませて貰って、ありがとうございました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2016年1月11日 16時) (レス) id: 676688d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
綾乃 - とても面白かったです (2015年11月11日 1時) (レス) id: 24069469b3 (このIDを非表示/違反報告)
綾乃 - 財前泣かせるねぇ〜とニヤニヤしながら見ていました(笑) (2015年11月11日 1時) (レス) id: 24069469b3 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 飛鳥さん» ……そ〜ですか(*^^*) (2014年9月15日 22時) (レス) id: d93ad0d912 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 海姫さん» すすろさんはすすろさんです (2014年9月15日 21時) (レス) id: ca6f00a121 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2014年7月17日 18時