【テニプリ】私は確かイリュージョニスト

ILLUSION18 ページ18

突如背後に迫る黒い影！
状況を整理しよう！ここは立海の校舎内！今は肝試し中！千歳さん曰くコイツはトトロ！
……完全にこいつお化けじゃないか！


A「いや、トトロなわけ無いからこいつまさか……」


雅治「Aー顔が青ざめとるぜよ」


一氏「小春！気をしっかり持つんや！」


金色「ユウ君……。私、もうここまでみたい……」


一氏「小春うううううう！」


幸村「わー二組ともあっつあつだねー」


白石「なんで幸村はこんな冷静なんや……」


とまあこんなふうにみんな大パニックだった。
私の横にいた千歳さんがいきなり私の手を握ってそのお化けなのかトトロなのか良くわかんないけどもーいいやなんかそんな物体のもとへ駆け出していく！


千歳「A！さぁ、夢のトトロとのご対面ばい！」


A「それは千歳さん一人でやっとけよ！やめてやめてやめて！」


ぐんぐんと黒い影の元へ迫っていく！さすがテニス部めっちゃ足がはやかった。
そして黒い影が目前へと迫ったとき。
その黒い影からくぐもった声が聞こえた。


？？「ちょっ、タンマタンマ！」


幸村「……この声は、ブン太じゃないかな？」


幸村さんがそういうと同時に黒い影の正体が鮮明に見えてきた。
よく見ると、それはただの豚の着ぐるみであった。


丸井「なんで千歳さんいきなり向かってくるんだよ！びっくりしただろい！」


千歳「……トトロじゃなかとね……！」


千歳さんはこの世の終わりみたいな顔をして地面に膝をついた。
……いやー、期待させたブン太が悪い。


丸井「俺は脅かす役なんだから別にいいだろい」


幸村「でもなんでピンポイントに豚の着ぐるみなんてきてるんだい？」


幸村さんがそうブン太に質問すると、ブン太はバツが悪そうな顔をしていた。


丸井「……衣装がなぜかこれしかなかったんだよ……」


仁王「まさに丸い豚じゃのう……」


幸村「へーそれは大変だったね」


なんとなく幸村さんの口調が棒読みでさらに口元が若干歪んでいる気がした。
……衣装の犯人もうどう考えても幸村さんだろう。
完全にブン太は幸村さんの手のひらの上だった。


石田「哀れやなぁ……」


ちょうど通りかかった銀さんがそうつぶやいていた。

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