ILLUSION11 ページ11
というわけであっという間に夜。練習はちゃんとしてるけども……。そりゃもう真面目に。
取り敢えず部屋割りの時のようにペア決めとしてくじを引くことになった。
私が引いた番号は3番。……一体誰が一緒なのだろうか。
千歳「3番の人はおらんねー?」
千歳さんがそう言っているのが聞こえた。どうやら私のペアは千歳さんらしい。……誰かが舌打ちした音がしたけど?
A「あ、千歳さん。私ですよ」
千歳「おお、よろしくばい」
ちなみに肝試しのルールは簡単。校舎内の決められたルートに従って歩き、テニス部部室にあるテニスボールを一個とって帰ってくるだけ。
幸村「それじゃあ肝試しを始めようか。何人かのひとに脅かす側の役をしてもらっているから気をつけてね?」
そうして一番のペアから校舎に入っていった。
ちなみに一番最初のペアは財前・謙也さんペアである。
財前「なんでこの人と組むことになったんすかねぇ……」
忍足「ちょっ、おま、俺一応先輩やで!?」
……相変わらず仲のよろしいことで。
最初のペアが入っていったあと、3分後に次のペア、切原・遠山ペアが入っていった。……後輩コンビか?学年は違うけれど。
そして三分後。私たちが入ることになった。
幸村「あ、安全のために手は繋いでいた方がいいよー」
……安全の他にもなにかいらない意図が含まれている気がするけれど。
千歳「確かに幸村のいっとるとおりばい。ほら、A手ば出さんね」
そう言って千歳さんは手を出してきた。……悪意がないから扱いに困る。仕方なく、そう私は仕方なく千歳さんのてをにぎって校舎内にはいっていった。
廊下を歩いているとき、突然千歳さんに質問された。
千歳「そういやAはユウジと幼馴染みばってん、Aは大阪出身とね?」
A「はい。でもしばらくして福岡の方に引っ越しました」
千歳「福岡ねぇ。俺ん地元と近かたい。……本当はどこの方言ばしゃべるとね?普段の喋り方に違和感があるばい」
……地元の人、怖い。
私は日頃の言葉遣いをやめ、一番喋りやすい話し方……福岡の方言で話し出した。
A「小学校までは大阪やったばってん一番の地元は福岡と思っとるよ。……福岡と熊本って近いけん千歳さんになんか親近感感じとるっちゃけど……」
そう言うと千歳さんはにかっと笑った。
千歳「それはよかことばい。俺もAと仲良くなれて嬉しかたい」
暗い校舎の中だが、少しだけ心が温まった気がした。
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アリス - 凄く面白かったです!ユウジがカッコ良かったです(*^^*)そして、光が切ない(泣)とても、文才がお有りですね!他の作品も、ぜひ読ませて貰います!楽しませて貰って、ありがとうございました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2016年1月11日 16時) (レス) id: 676688d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
綾乃 - とても面白かったです (2015年11月11日 1時) (レス) id: 24069469b3 (このIDを非表示/違反報告)
綾乃 - 財前泣かせるねぇ〜とニヤニヤしながら見ていました(笑) (2015年11月11日 1時) (レス) id: 24069469b3 (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 飛鳥さん» ……そ〜ですか(*^^*) (2014年9月15日 22時) (レス) id: d93ad0d912 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 海姫さん» すすろさんはすすろさんです (2014年9月15日 21時) (レス) id: ca6f00a121 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2014年7月17日 18時