幼馴染のクズ【ut】

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「佐々木、体育倉庫に行ってきてくれないか」

『な、なぜですか……』

「そろそろ新しいのを買おうと思っていてな。古くて使えない物がいくつあるか見てきて欲しい」

『はい……』

私はとぼとぼと体育倉庫へ向かう


なんで私なんだよ…他にも人いるだろ……


私は渋々体育倉庫の扉を開ける

『ｺﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｯ……ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ………』

結構埃っぽいな……


ハンカチで口を抑えながら一つ一つ確認していく

『えーっと…いっこ……にこ…さんこ……』

多分9個ぐらいだろ。数え終わったしさっさと帰ろ


私がスキップスキップランランラーンで帰っていると、バシャッという音と共に、お腹の辺りがひんやりした


水のせいでぼんやりとしか見えないが、ホースを持った男子生徒がこちらへ走ってくる

「っ！すみません！大丈夫で、す…か……」

その声はお昼私にぶつかった人の声に似ていた

『だ、大丈夫です。それでは……』

私は早く教室へ戻ってタオルを取りに行きたがったが、まってと腕を引っ張られた

『何ですか……？』
「あの…その格好だと、危ない…ですよ……？」

え、危ない？何が？


視線を下にすると、体育着が水のせいで体にペターと張り付いていた


幸い、下着は透けていなかった

「こ、これ着てください！」

バサッと顔面に体操着が投げられた

『え、別に大丈夫ですって……』
「早く！」
『は、はい！』

顔の圧に押され、仕方なく体操着を着る。意外とデカい……

「お大事に！」

それだけ言って走り去ってしまった


おぉ…めっちゃいい匂い……ってキモイな私……



私が教室で髪を乾かしていると、委員会なのか両手に苗を持った鬱と目が合ってしまった

ut「頭から水でも被ったんか」
『あながち間違ってない』

すると鬱は両手に苗を持ったまま私の前まで歩いてきた

『行かなくて良いの？』
「Aの体操着こんなにブカブカやったっけ」
『あー、体操着濡れたから借りた』
「誰からや？」

早く帰りたくてよく見てなかったな……


体育着を見ても、どこにも名前が書かれていなかった

『確か"赤いニット帽"被ってた気がしなくもない』
「あーそれ誰か分かったわ」
『まじ？誰よ』
「俺今忙しいから明日話すわ」

そしてじゃあなと言って教室を出ていった


今教えろよ！いい所で切りやがって……！


てか名前知らないとこの体操着返せないじゃん

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