君を笑かしたい！！[短編集]

<ラニーノーズ 洲崎さん> ページ8

「ほんでさぁ、…なぁ、聞いてる？」

『ん？んー…聞いてんでぇ……』

なんやこいつ。さっきから俺が話しかけとんのにスマホばっかいじって。

「さっきから何やっとんの？」

『んー？LINEやけどぉ……』

俺の話まともに聞いてへんやん。返事も適当やし。
それが不満で、彼女がいじってるスマホの画面を覗いた。

「うわっ！しかも健人やん！」

『せやで？あかんの？』

「あかんくは無いけど……嫌や。」

『なにが？』

「Aが健人と2人でLINEしとんの嫌や！」

『ヤキモチ妬いてんの？』

そう言ってAはクスクス笑う。

「ヤキモチやないけど…その、不安になるやん。」

『大丈夫。不安になるような事なんもないって。』

「ほんまに？」

『当たり前や。私は貴郁以外男として見てないです！』

「やったらええけど……」

『でも、貴郁が嫉妬してくれてちょっと嬉しかった』

からかってんのか知らんけど、こっちはほんまに不安やねんで……？

「なんか、いっつも俺ばっかやん。お前もちょっとぐらい嫉妬とかしろや。」

『してるよ？』

「……いつ？」

『テレビで貴郁が女の人と喋っとる時とか、ゆりやんと一緒に撮った写真見た時とか、いつも嫉妬ばっかりやねんで？』

「そっか。よかった。」

『よかったってなにー？』

ケラケラと笑うAが可愛くて、好きやなぁと改めて思う。

「俺だけ好きなんかなぁって、ちょっと思ってた。」

『なわけないやん！むしろ私の方が何倍も好きやわ！！』

さっきの嫉妬なんて吹っ飛ぶくらい、ふたりで笑いあうのが幸せで、いつまでも続けばいいのにと思った。

「ずーっと好きやで？」

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