貴方の言葉は魔法の様 ページ32
〜貴方side〜
「それで、如何ですか?」
「それが…以前より悪化してる様な…」
発病してから、今日で1週間経つ。
だが、一向に止まる気配は無く、涙止剤の効果も薄れてきた。原因も分からず終いだ。
もしかしたら、私はこのまま…
そんな事が頭を横切った。
それと同時に、1つだけ原因らしきエピソードが、記憶の底から出てきた。
「…1つ、心当たりがあるんです。ただ、最近の事では無いんですが…」
「…お聞かせ願えますか。」
それは、今から1ヶ月程前の話だ。
真選組が、ある攘夷志士のアジトに討ち入りに行った時、近藤さんが重症を負ったと土方さんから報告があったのだ。
未だに病院に入院中で、真選組の士気も下がっているらしい。何処の病院かは分からない。
それを聞いた時、正にこの世の終わりに思えた。
いつも笑って接してくれるあの人が、何処までも、何にでも一生懸命なあの人が、自分の前から居なくなってしまう。そう思った。
それを今更になってぶり返して、現状に至ったのかも知れない。
「…あ、あの…その方のお名前は...?」
「こ、近藤勲さんです。」
「こんどう…あ!ウチの入院患者ですよ!怪我が想定していたより酷くて、昨日やっと目を覚ましたんですよ!」
それを聞いて、一気に何かが込み上げてきた。
無事なのだろうか、また笑ってくれているだろうか……あの人に会いたい。
「先生、面会させて頂けませんか...?」
「勿論です。近藤さんもきっと喜ぶでしょう。」
そして先生と一緒に、近藤さんの居る部屋へ向かった。
「私が先に入りますので、呼んだら入って下さい。」
「は、はい。」
中からは、懐かしいあの人の声が聞こえてきた。
それだけで、とてもほっとした。
どうぞ、と呼ばれて、ゆっくりと中に入る。
そこにはちゃんと、私の会いたかった人が居た。
「ッ!Aさんッ!」
「近藤さん…良かった…無事で良かったですッ!本当に...!」
部屋の前で我慢していたのが限界になり、とうとう溢れ出してしまった。
こうやって泣いてしまっては、心配させてしまう事くらい分かっている。だけど、それでも止められる訳はない。
「…Aさん、近藤勲、只今帰りました。」
「……お帰りなさい、近藤さん。」
そんな私を、彼はただいまの一言で笑顔に変えた。
彼の言葉が、存在が、私の1番の涙止剤だ。
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アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます!最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです! (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます!これからも作者共々、宜しくお願いします!私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年6月23日 16時