【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

幸福温泉 ページ6

〜貴方side〜


「温泉？」


近藤さんが部屋に訪ねてきて、温泉旅行に行かないかと提案した。

町内会の福引きで、宿の招待券が当たったらしい。


「ええ。最近出来た宿なんですけど、各地の温泉に入れるそうで。…い、一緒に行きませんか...？」


もじもじしながら顔色を伺っている彼に、私は笑顔で返事をする。


「はい、喜んで。」

「よっしゃァァァ！！」


そんな雄叫びを上げた彼を、妙が殴って外へ吹っ飛ばしてしまった。

…当日、行けるかな...






そして、迎えた当日。
着いたのは夕方だった為、先に夕食を取った。


「傷、まだ残ってますね…。」

「ははは…温泉入って治る事を祈ります。」


あの時、真選組の屯所にまで飛んだそうだ。
当たりどころが悪かったらしく、かなり深い傷が出来ていた。


「そういえば、この傷の場所、あの時と同じ...」


全部言いかけたところで、初めて会った時の思い出が全てフィードバックした。
案の定、身体が熱くなっていくのを感じる。


「ど、どうかしましたか？」

「い、いえ！さ、さあ、早速入りに行きましょう！」


最後の言葉は、聴こえていなかったらしい。
気付かれないうちに話を逸らし、早速温泉に入りに行く事にした。


「凄い...！」


扉を開けた先に見えたのは、各地の温泉。
遠目から見ても、10近くあった。

その1つ1つに細かい説明がされており、新しい知識を頭に入れながら、温泉を楽しんだ。

効能もそれぞれ違って、それを身体全体で感じ、噛み締めた。


「お嬢さん。」


近くから、声が聞こえ、顔を向ける。
そこには、つい"お婆ちゃん"と呼びたくなるような、年配の方がいた。


「旅行ですか？」

「はい、そうなんです。」

「…大切な人と、ですか？」


いきなりそんな事を聞かれ、ドキッとしたが、それを表に出さぬように返事をする。


「…はい」

「そうですか。…お嬢さん、この温泉の効能をご存知ですか？」

「い、いえ。」


そういえば、ここにだけ説明が無いのが気になっていたのだが、どういう事なのだろうか。


「この温泉は特殊でね、幸福感に効くんですよ。」

「幸福感...？」

「上がったら分かりますよ。では、お先に。」


そう言い残し、スタスタと歩き出した。


幸福感に効く、か…どういう事だろう...
上がったら分かるって言ってたし、一先ず出るか。


考えながら、後を追うように上がった。

幸福様様な時間→←ゼロ距離より3歩手前へ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す