【ONE PIECE】透明からどんな色に【サンジ】 (ページ11)

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幸せを運ぶページ11

～Nami side～

「そうよね…Aが何も作らないわけないわよね...ホントに余計なことしちゃった...」

朝食後、ロビンと船首に移動して、Aのチョコを片手に呟いた。
貰った時に食べたけど、本当に美味しかった。文句の付け所なんてなかった。サンジ君だったらパッケージだけで泣くと思う。けど、本来Aが作ろうとした物とは違う。知らなかったとはいえ、Aの思いを踏みにじったと思うと、本当に胸が痛い。

「はぁ...」

「Aちゅわ～ん♡」

猛烈に反省している時に、Aの部屋に向かうサンジ君の間延びした声が耳を通った。
ああ、ごめんねサンジ君…折角のAとのバレンタイン...

「まあサンジ君なら、何でも喜ぶに決まってるわよね。」

「そうね…」

それでも気が気じゃなく、サンジ君が部屋に入ってから出てくるまでの様子を、ロビンとずっと見ていた。

そして数分後、開いていくドアを凝視すると、とてつもない幸せオーラを纏って弾むサンジ君の姿が見えた。
表情を見て、サンジ君への心配がすっと消え去った。

「幸せそうな顔しちゃって…あ～あ、心配して損した。」

「うふふ、余程嬉しかったのね。」

その勢いのままキッチンへ向かい、こっちへ急ピッチでドリンクを運んで来た。

「レディ達～♡ドリンクのお届けに参りました～♡」

普段通り…と言いたかったけれど、モードを切り替え切れていなくて、オーラが丸見えで思わず笑ってしまうと、ロビンが代弁してくれた。

「幸せのお裾分けありがとう。」

「えッ！あ、いや…」

「隠すことないわよ。よかったわね、チョコ貰えて。」

「え、チョコ？」

「え？Aからチョコ貰ったんじゃないの？」

「ああ、Aちゃんからは手作りの飴を貰ったんだ。」

『飴？』

そう言うと、ポケットから数個の飴を取り出した。
元々包みに入ってたらしいけど、サンジ君のことだ。
肌身離さず持っていたいということだろう。

「凝ってるよな～、流石Aちゃんだ。それに…」

「それに？」

「いや、これは秘密にしておくよ。惚気が止まんなくなりそうだし♡」

「もう充分流れ出てるけどね、オーラ。ていうか、もう隠す気ないでしょ？」

「えへへ、バレた？♡」

「全く、幸せなヤツね。」

デレデレの顔だけど、この先の2人の幸せな未来が垣間見えたようで、何だかほっこりした。