言葉の勇気 ページ37
〜緑谷side〜
そこから見えたのは、何重にも管が挿し込まれ、いつにも無く弱々しい、ナイトアイの姿。
あまりにも衝撃が大き過ぎて、意識を失いそうになってしまう。
「ナイトアイ…！！」
「………オール、マイ…ト…死で…漸く会う気に…？」
「返す言葉が見つからないよ…私は君に…酷い事を…」
「ナイトアイ…ダメだ、生きて…！頑張って！」
ナイトアイの口から出て来る言葉の数々は、長年のオールマイトへの思いが、ぎゅっと詰まっていた。
けどやはり、その様子は弱々しいままで…まるで、足掻くと決める前のオールマイトの様だった。
「だが…緑谷とAが今日、見せてくれた…」
そこから発された言葉1つ1つが、僕の胸に刺さっていった。
だけど…どんな言葉よりも、たった数日の付き合いだったのにも拘らず、後継者として"認めていない"僕にも拘らず、しっかり見ていてくれた事が、何よりも嬉しかった。
今にも泣きそうになっていると、後ろから大きな物音が聞こえた。
「サー！ナイトアイ！」
「ナイトアイ！」
病衣姿の通形先輩と針宮さんが飛び込んで来た。
すぐに側まで駆け寄り、それぞれ言葉を掛け合っていた。
その時の2人は、オールマイトに思いを全力でぶつけた時の僕の姿と重なった。
今まで見た事がない2人の様子を見て、とうとう僕も涙が溢れ出してしまった。
その時、ナイトアイが寝ているベッドから微かな音が聞こえ、目をやると、ナイトアイが2人に手を伸ばしていたのが見えた。
「……………大丈夫、お前達は…誰より立派な…ヒーローになってる…」
その時また、僕の心臓が強く打たれた。
その瞬間、ある日の出来事が頭を横切った。
『君はヒーローになれる。』
まだ無個性で非力だった僕に、
まだ昨日の事の様に、鮮明に覚えている。
だから、僕にはよく分かる。
その言葉が2人にとって、どれだけの勇気を与えたか。
「だから、笑っていろ。」
その言葉が2人とって、とても大きな言葉だったか───。
初めて見たナイトアイの笑顔に、胸が異常な程に苦しくなった。
そして、心拍数モニターが静かに終わりを告げた。
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アルナ(プロフ) - (名前)さん» コメントありがとうございます！不定期ながら更新していきますので、これからも宜しくお願いします！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！応援してます！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年4月12日 18時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けて本当に嬉しいです！どんどん出せるように頑張ります！ (2018年11月24日 9時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 面白いです。続きどんどんしてください。頑張ってください (2018年11月20日 7時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2018年9月30日 17時
