一撃を ページ31
〜貴方side〜
各々の気持ちをエリちゃんにぶつけ、体勢を立て直す。
頰に付いた血を雑に拭き取る治崎に目線を変える。
「戻って来い、壊理。殺されちゃう?何度言ったら分かるんだ。お前は人を壊す。そう生まれついた。」
治崎が口を開いた瞬間、手の中でまた震え出した。
恐怖に染まった顔をして、私から離れようとした。
そんな彼女に、ルミリオンが聞かなくていいと告げた。
同じ様に、私もエリちゃんの目を見て、大丈夫と告げた。
だが、治崎がまたも残酷な言葉を投げ掛けた。
それを聞いた私達は、当然頭に血が上った。
その思いを、ルミリオンに代弁してもらう形になった。
声に出したかったが、それではエリちゃんを怖がらせてしまう。だから、声に出す代わりに、強く抱き締めた。
その時だった。
治崎がこの場を分解し始め、変形した。
異常な程に身の危険を感じ、ルミリオンに身体強化効果のある針を手渡した。
治崎…オーバーホールは、対象物の分解・修復が出来る。だが、これは、修復なんてものじゃない。
巨大な突起物に修復し、襲い掛かって来た。
瞬時に透過効果の針を刺した為、私達も、勿論エリちゃんに被害が及ぶ事は無かったが、どう見てもこの子ごと狙った攻撃だった。
「すぐに修復すれば蘇生出来る。原型を留めていなくとも、元通りに治せる。その子は身を以て知っているハズだ。」
その言葉に、我慢ならなかった。
いくら自分の子ではないとはいえ、1人の人間…しかも、こんな幼い子を、物扱いしているのが…そして、それを今まで何度も繰り返している事が、許せなかった。
だが、声に出せば相手の思うツボだ。
そんな怒りを手足に込め、攻撃を次々と交わした。
攻撃を中断したと思った矢先、先程の部下が銃を出した。恐らく、サンイーターの時より効果が増強されている筈…となると、最初に周りから潰しにかかる筈。
弾を2弾撃ち、ルミリオンはマントを使って、私は無効化させる針を銃弾に向けて撃った。
部下が放心状態になっている間に、ルミリオンが移動していた。
そして、破り捨てたと思われるマントでエリちゃんを包み、いざという時の為に使えるよう針を渡し、一瞬離れ、急いで彼の下へ向かう様に見せかけた。
そうすれば当然、治崎はエリちゃんを狙いに来る。そこでルミリオンは、すかさず拳をぶつけ、私はもう一度、無効化させる針を治崎に打った。
これで暫く、個性は使えない。
そして、少し不安気なエリちゃんに笑顔を向けた。
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アルナ(プロフ) - (名前)さん» コメントありがとうございます!不定期ながら更新していきますので、これからも宜しくお願いします! (2020年4月12日 20時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます!応援してます!更新頑張ってください!応援してます! (2020年4月12日 18時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂けて本当に嬉しいです!どんどん出せるように頑張ります! (2018年11月24日 9時) (レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 面白いです。続きどんどんしてください。頑張ってください (2018年11月20日 7時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルナ | 作成日時:2018年9月30日 17時